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「話、する?危険かな? ●●号室」LINEが“アウト”な2つの理由

海老澤 まずポイントになるのはこのLINEが「深夜」ということでしょう。早朝あるいは深夜という労働時間外に上司の立場から指示を出していることが不適切です。

 そしてもうひとつのポイントは「1人でホテルの部屋に」来るように誘っていること。これは一般的に見ても「不快」「従いたくない」と感じられるものでしょう。しかもこの社長の誘いに応じなかったら何らかの不利益があるかもしれない――「勤務店舗を変えられる」「給料を下げられる」――もちろんそれらはメッセージに明示されていませんが、被害者としてはそういうことを考えてしまうので、このLINEはセクハラにあたると考えます。

 もしも業務上必要な話があるのであれば、それは「労働時間内に」「店舗や事務所など」のしかるべき場所で行われるべき。つまり「時間外に」「彼の部屋」に1人呼び出して、というのはアウトです。このLINEのやり取りが事実であれば、証拠として残っている以上言い訳は通らないのではないでしょうか。

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石川康晴氏と女性社員とのLINE画像を掲載した朝日新聞デジタル(3月5日)の記事

「新幹線代、ホテル代、出すから、●月、東京に来ませんか?指定休で」


――別のSNSメッセージも朝日新聞に掲載されています。「新幹線代、ホテル代、出すから、●月、東京に来ませんか?指定休で」「ホテルは東京駅の辺りで取りますよ」「石川と寿司デート」(※抜粋。一部加工されている)という内容です。

海老澤 上司・部下という職場の関係にも関わらず「ホテルを取る」「デート」などというメッセージを送っていることが、一般基準でセクハラと判断する材料になるでしょうね。

 法律上でいうと、男女雇用機会均等法(11条)が「職場において行われる性的な言動で労働者の対応によりその労働条件につき不利益を受けること、またはその性的な言動により当該労働者の就業環境が害されること」をセクハラと定義し、雇用主(=社長)に対し、労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制を整備する等、雇用管理上必要な措置を講じることを義務付けています。守らなければ国から是正勧告を受けたり、違反企業として公表されたりすることになります。

――仮にセクハラを受けた被害者が石川氏に文句を言いたいというケースはどうなるのでしょうか。