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スタジオには誰が入れたのか?

「だから、スタジオと報道陣控室を行き来していた関西テレビ(カンテレ)社員に放送開始前、『出演者と番組スタッフ以外で、スタジオ内にいるのが何人ほどなのかだけでも知らせてほしい』と尋ねたんですが、そこで『教えない』『教えろ』の押し問答に発展する一幕も。結局最後には、50人程度という数字が落としどころになりました」(同前)

 大会前からネガティブな論調で話題になっていた無観客開催で、カンテレ勢もピリピリしていた?

「いや、そうではなくて件の社員曰く、『俺たちは視聴者に興味本位の話題ではなく、笑いを届けたいんだ』と。確かにそれは正論です。しかしM-1ならともかく、昨今のR-1は決勝ステージになって初めて、ぎりぎり見るに足るものになるかどうかというレベル。だったら今年のR-1で、我々記者やお笑いファンが一番知りたいのは無観客開催の影響なんだから、よりメディアに取り上げられやすい話題を自分たちから情報発信するぐらいの戦略性を見せてほしかった」(同前)

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 ではスタジオにいた“50人程度”とは、どのような顔ぶれだったのだろう。

©iStock.com

「例年のR-1決勝なら、出場芸人の所属事務所関係者はチーフマネージャークラスしか入れない決まりで、下っ端のマネージャーはスタジオ外の廊下のモニターで決勝を見ていたんです。それが今年はマネージャーなら全員がスタジオ入室を許されました。彼らとカンテレ、フジテレビの背広組社員を合計しての数のようです」(スポーツ紙芸能担当記者)

 だとすると、吉本興業のように決勝進出者も社員の数も多い事務所がマネージャーを大量動員してスタジオに送り込み、自社の芸人のネタの時だけ笑うように仕向ければ、審査に有利な雰囲気を作れたのではないか?

「それはないですね。去年の決勝で、ある観客の騒音に近い笑い声がネットを中心に大不評だったように、不自然な笑いを仕込んでも悪目立ちしてすぐバレるし、審査員や視聴者の反感を招くだけなので逆効果。確かに12人の決勝進出者中、吉本の芸人は東京、大阪合わせて7人いましたが、吉本にしてもM-1のように社を挙げて取りに行こうとまで考えてはいません。実際、中継中のスタジオから聴こえてきた笑いは、それぞれのネタの面白さに見合ったものでしたし」(同前)