東西テレビ局間の“力関係”が見え隠れ
決勝進出者3人は全員、吉本所属の芸人だったが、順当な結果だったというわけだ。
「同様に、審査員6人中3人(桂文枝、陣内智則、友近)が吉本所属でしたが、特に投票の偏向も見られませんでしたね」(同前)
その結果、優勝に輝いたのが『M-1』『キングオブコント』『R-1』のお笑い3冠で史上初めて、すべての決勝に進出を果たした野田クリスタル。野田のネタは今という時代を巧みに取り込んだ切り口だったが、一方で取材の現場では、令和における関東・関西のテレビ局間の微妙な力関係が見え隠れしていたと噂する向きもあったようだ。その象徴が冒頭でも触れた、フジテレビ社屋横のホテルにわざわざ設けた報道陣控室なのだとか。
「この御時世でもテレビ局にはタレントなど外部の人間が頻繁に出入りしているのですから、R-1決勝時の報道陣についてもカンテレがフジに頭を下げ、社屋内の一室を控室として使わせてもらっても、フジ内部や世間から非難の声が上がることはなかったはずです。にもかかわらず、100万円どころでは利かない費用を負担してまでホテルの宴会場を押さえたのは、カンテレの“意地”だったのではないかと深読みしていた記者もいました」(テレビ情報誌デスク)
意地とは?
「今秋から、民放キー局の番組がネットで全国へ同時配信されます。つまり日本中どこでも東京の視聴者と同じ条件で番組が見られるわけで、地方局はよほど地元に密着した人気コンテンツを抱えていない限り、存在意義が失われかねない非常事態に直面しているんです。R-1はカンテレが自身の制作力を全国に問える数少ない番組のひとつで、極端に言えば今後の社運がかかっている。ですから報道陣控室をあえてホテルにしつらえたのも、『俺たちはいつまでもフジにペコペコしとるわけやないで』と、局としての独立性を示したかったのではないか、というわけです」(同前)
はたして真相はいかに。
ちなみに今年のR-1決勝の平均視聴率は関東地区で7.1%、関西地区で10.3%(ビデオリサーチ調べ)で、昨年に比べ関西地区での落ち込みが激しかった(5ポイント減)という。