英王室にも新型コロナ チャールズ皇太子が感染
王位継承順位6位のヘンリー王子とメーガン妃の王室離脱で激震が走った英王室にも新型コロナウイルスは忍び込み、チャールズ皇太子の感染が確認され、スコットランドで自己隔離している。高齢のエリザベス女王(93)やフィリップ殿下(98)への感染が懸念される。
今回のウイルス禍で英国の欧州連合(EU)離脱のことは口の端にも上らなくなったが、エリザベス女王にもしものことがあれば英国は心の支えを失ってしまうのではないか。しかし国民の反応は予想以上に厳しかった。
英国でもPCR検査の実施には限りがある。だから検査対象は重症者に限られる。不十分なゴーグルやマスク、防護服で重症・重篤者の治療に当たる医療従事者でさえ重症化しない限りPCR検査は受けられない。感染リスクに慄く人もいる。
「どうしてチャールズ皇太子とカミラ夫人だけ特別扱いでPCR検査を受けられたのか」という批判が国民だけでなく各界から沸き起こっている。未知の感染症と戦う不安や恐怖は将来の国王であろうと一市民と同じだろうというわけだ。これは、もはや“国民戦争”だ。
異常行動が与える大きな“安心感”
イタリアの感染爆発を受け、英国でも3月に入りパニック買いが広がった。筆者も妻を連れて食料品を探して回るのが日課となった。真っ先に陳列棚から消えたのはトイレットペーパー。これは世界共通の現象だ。
トイレットペーパーには食料品のような“賞味期限”がないため買いだめできる。しかも安くていくらでも買える。なくなると陳列棚がポッカリと空くため「買い遅れるとなくなってしまう」という消費者心理を煽る。
一番なくなりそうにもない物をたくさん買うという異常行動が逆に「ここまでしたのだから大丈夫」という大きな安心感を与えてくれる。保存が効くパスタもなくなった。ロックダウンが近づくとお肉やタマネギ、ジャガイモ、卵が消えたが、封鎖で逆にパニック買いは落ち着いた。
一部のスーパーマーケットでは入店制限が行われ、店の外に約2メートル間隔の列ができた。低所得者向けの店ではまだトイレットペーパーやパスタ、卵がなくなっていたが、他の店では商品は潤沢に並んでいた。ただ発症を心配して解熱鎮痛薬が不足している。