兄妹は早くから祖母に育てられていた。やがてク・ホイン氏が11歳、ク・ハラが9歳の時、母S氏が家出。その後、父親は全国の建設現場を渡り歩くようになった。父親から愛人と一緒に暮らすよう誘われたこともあったが、兄妹は断ったという。兄妹の生活は楽ではなく、ク・ハラは全州芸術高校に進学したものの学費が払えず転校を余儀なくされたそうだ。
S氏はク・ハラがKARAメンバーとしてデビューする2年前の2006年、親権、養育権を放棄した。兄妹はその後、2017年にS氏と再会している。ク・ハラがうつ病治療の一環として、医師から母親に会うことを勧められたからだ。だが再会した後も、兄妹と母親の関係は変わることがなかった。祖母は2011年に他界しており、兄妹は互いを唯一の肉親と思って過ごしてきたという。
遺産の半分は母親のもの?
韓国の民法でも子供と配偶者のない者が死亡した場合、遺産は実の父母が相続する決まりだ。詐欺または脅迫で遺言を妨害、また遺言状を偽造するなどした場合は欠格事由に該当するが、親権、養育権の放棄はこれに含まれない。
遺産の50%を受け取る権利のあった父親は、「親らしいことをしてやれなかったのが申し訳ない」と相続権をク・ホイン氏に譲渡した。残り50%分の相続権は、S氏が持っていることになる。だがこれを受け入れがたいク・ホイン氏は3月3日、光州家庭裁判所に相続財産の分割審判を請求する訴訟を起こした。
遺産の額は明らかにされていないが、ク・ハラは過去に不動産の財テクで数十億ウォン(数億円)の収入を得たと報じられたことがある。また一部では「資産100億ウォン(約9億円)」とも噂されているが、ク・ホイン氏は「実際は異なる。妹は仕事が休みがちだったことも多かった」と否定した。ク・ホイン氏はS氏が主張する分を相続できれば、ク・ハラの名を冠した財団を作りたいとの考えを示している。