「女子御三家」と呼ばれる女子校がある。
これは東京にある私立女子校「桜蔭」(文京区)、「女子学院」(千代田区)、「雙葉」(千代田区)の3校を指し示す。在校生の雰囲気はまさに三者三様であり、創業者の思いが色濃く脈々と継承されている女子御三家の各校は唯一無二の佇まいをみせている。
女子御三家とは何か!?
これらの学校に入学するためには中学入試で狭き門を突破しなければならない(高校からの募集枠はない。ただし雙葉のみ、付属の幼稚園、小学校から入る道も用意されている)。だからこそ、中学受験を志す小学生や首都圏の中高生だけでなく、巷間で羨望や憧れの目を向けられている。
桜蔭は進学校という側面で見ると全国に名を轟かす「モンスター級」の女子校である。27年連続で東京大学合格者数全国トップ10入りを果たしている。2020年度の東大合格者数は開成、筑波大学附属駒場につづく全国第3位の85名と大躍進を遂げている。先日、「東大85名合格! モンスター級の女子校・桜蔭は何がすごいのか」という記事でその強みを紹介した。
女子学院はプロテスタント系のミッション校で、自由な校風で知られる女子校だ。大半が私服で通学しており、校則はほとんどない。お化粧をしている子も散見される。在校生や卒業生の多くは、昔から親愛の情を込めて女子学院を「JG」と呼ぶ(以下、本記事ではJGと表記)。自由を全身で謳歌する在校生たちではあるが、国公立大学はもちろんのこと、難関私立大学にも数多く合格者を輩出する一流の進学校である。
最後に、雙葉。カトリック系の女子校である。上皇后・美智子さまが雙葉小学校出身であり、皇后・雅子さまは系列校である田園調布雙葉小中高で学ばれていた。また、村上春樹『ノルウェイの森』に登場するお金持ちの子女が集う女子校は、雙葉がモデルといわれている。これらのエピソード、そして有名な「ごきげんよう」の挨拶のイメージなどが合わさり、「雙葉」はいつしか「お嬢様学校」としての代名詞的存在になったのであろう。進学校としての実力も確かなもので、やはり国公立大学や難関私立大学に数多くの進学者を輩出している。
先輩からの突然のLINEブロック!
先日、わたしの塾の卒業生であるJG生が来訪した。
その彼女はわたしに対して嬉々として「○○先輩がかわいい!」「で、○○先輩ってすっごく優しいんです」的なことを連呼していた。そう、その表情は「恋する乙女」である。彼女によれば、同級生のある子はお気に入りの先輩のスケジュールを徹底的に調べ、校内で「出待ち」をしていたとか……。
わたしが彼女の話で印象に残ったのは、部活動(班)の新入生勧誘の際の先輩・後輩のLINEのつながりだ。新入生がその部活動に入るまでは、先輩とLINEでつながり、あれやこれやのアドバイスを受ける。が、その新入生が入部するや否や先輩たちからLINEブロックされるという。
要は「先輩は気やすく近寄れない存在」であることを下級生に突き付けているのだろう。