しかし、流石に、そうも言ってはおれなくなった。こう感染者が増え始めると、気持ちはサバイバル・モードだ。感染症の専門家たちが次々と発表する米国の推定死亡者数の多さも、私に脅しをかけてきた。その数最大48万人、嘘でしょ~??? 私は、スーパーの駐車場で、車から降りる前に、マスクを身につけるようになった。
しかし、マスクをしていると、マスクをしていないアメリカ人から向けられる視線がどうしても気になる。どこか差別的な視線を向けられているように感じるのは、私が被差別意識を感じているからなのか?
個数制限、客同士距離をあける……スーパーに訪れた変化
大方のアメリカ人もサバイバル・モードに入っている。ロックダウン後は、スーパーの中でも、街中でも、マスクを身につけているアメリカ人がチラホラだが目につき始めた。しかも、先日、駐車場で隣に止まった車の中にいたアメリカ人男性は、降りる前に、ビニール手袋まで手にはめていた。
スーパーは大きく変わった。
いつもたくさんの客でごった返す人気スーパー「トレーダー・ジョーズ」は逸早く入店者数を50人程度に絞った。そのため、入店するまで15分程度は列に並ぶようになった。列で待つ際も、前の客とは6フィートの距離を空けなくてはならない。入り口にいる従業員が、1人客が店から出るごとに1人客を入れており、入店の際には、客の両手に消毒スプレーを吹きかけている。
米政府は「食料不足にはならない」と言ってはいるものの、買い占めが起きる恐れから、同店では購入個数の制限が行われており、タマゴは1世帯1ユニットに制限されている。レジ前でも6フィート間隔で列を作っていないと従業員に注意される。レジ係は客が購入した食品を袋に詰める前に、自分の手に消毒スプレーを吹きかけるほど入念に感染予防を行うようになった。
出口では、従業員が、忙しなく、使用済みのショッピング・カートやバスケットに消毒スプレーを吹きかけている。クルーガー系列のスーパー・ラルフスの中には、レジ周りをガラスのシートで囲っているところもある。