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豊田真由子 自民党・衆院議員
「このハゲ────っ!」

『週刊新潮』6月29日号

豊田真由子議員の秘書が関係者に配っていた名刺

「このハゲ────っ!」「ちーがーうーだろー。違うだろー!」。“魔の2回生”豊田真由子衆院議員が元秘書を罵倒する言葉の数々は、小学生も真似する流行語となった。豊田氏は報道の直後に離党届を提出。その後は国会も休み続け、公の場にも姿を現していない。

 豊田氏の選挙区である埼玉県の上田清司知事は8月1日の記者会見で、「ほとぼりが冷めたら出てこようというのはひきょう」と述べ、説明責任を果たせないなら議員辞職をするよう求めた。自民党関係者は、「党議員の不祥事や失言はたくさん出たが、豊田氏の暴言が一番影響があったんじゃないか。あの怒鳴り声がテレビで流れるたびに、票が減るのを感じた」と語っている(『週刊朝日』8月18日・25日合併号)。それだけインパクトが抜群だったということだ。最近、政治活動再開のために政策秘書を雇ったそうだが、いったいどんな人が応募したのだろうか。本当に不思議。

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菅義偉 官房長官 
「出所も明確になっていない怪文書みたいな文書だ」

テレ朝news 5月17日

 加計学園問題をめぐって意外と影響が大きかったのが、この菅官房長官による発言だった。「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向だと聞いている」と記された文部科学省の記録文書について「怪文書みたい」と切り捨てた。

 その後、菅官房長官は「現在の認識ではない」と述べて発言を撤回したが(毎日新聞 6月16日)、次々と出てきた文書や証言に関しても一貫して強気の否定を続けた。聞く耳を持たず、都合の悪いことは頭ごなしに否定する。対話を拒否する姿勢は、安倍首相の「こんな人たち」発言にも通じている。それが首相と政権に対する国民の不信につながってしまったと言えるだろう。

春先まで磐石だった「安倍一強」を覆した失言の数々 ©文藝春秋

 思えば、春先まで「安倍一強」は盤石、来秋に予定されている自民党総裁選で再選を果たし、安倍首相は歴代最長政権として東京五輪を迎え、同時に念願の憲法改正も果たす――というシナリオさえ語られていた。それが森友学園問題、加計学園問題に加え、閣僚と自民党議員の失言、暴言、問題行動が繰り返されて、現在に至ってしまった。

 今後、安倍政権の復活はあるのだろうか? 鍵を握るのは、安倍首相自らが語った「丁寧の上にも丁寧に説明」だ。それがどのように実行されるのかに下半期も注視していきたい。