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「生活もあるので、ギリギリまで働きます。」

 また密着した接客をウリにしているセクシー系キャバクラのキャスト・Sさん(30代)は、「生活もあるので、お店を閉じるときまで、ギリギリまで働きます。お客さんも少ないですし、いつもならお客さん同士の距離も近いですが、一人分をあけています」と説明する。ただ、一般のキャバクラよりも“濃厚接触”が激しい。そのためか、同日になって、店自体が当面、臨時休業となった。

 一方、別のキャバクラのキャストであるAさん(20代)は、自粛要請も気にせず、この日も勤務していた。

「特に店側の指示はありません。自粛ムードでもないですね。お客さんは少ないですが、来店する人はいないわけではないので。これからどうなるかはわからないけど」

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©iStock.com

 新宿区によると、歌舞伎町のキャバクラ店や風俗店で働く女性のうち十数人が感染していることが公表されたが、「特に気にしてないですね」。

シフトを減らしたり、雇用を止める店も

 歌舞伎町に隣接する新宿ゴールデン街はどうか。小さなカウンターバーが約280店舗をかまえている雑然としたエリアだ。店内は、「密閉、密集、密接」のいわゆる「3密」そのものの場所が多い。当面の間、店を閉めることを案内する張り紙をしているところも複数見かけた。数週間前に、ある店舗に出かけたときは、マスクをする客もほとんどおらず、他人事として新型コロナウィルスの話題をしている様子だった。

閑散としているゴールデン街 ©渋井哲也

 新宿ゴールデン街の一部の店舗でつくる「新宿三光商店街振興組合」によると、数ヶ月前から全体として客数が減っている。状況が改善されないと、経営が厳しく、継続が厳しくなる店舗もあると見ている。

「すでに従業員を辞めさせている店も出てきています」(同組合)

 ゴールデン街の店舗では、時給や歩合制などアルバイトの雇用形態はさまざまだ。経営に影響するのは時給で雇っている店舗だ。客数が減れば、必然的に売り上げに響く。売り上げがなくても人件費は発生する。そのため、シフトを減らしたり、雇用を止める店もある。