3段階ある会員の「入場料」
自らを神格化する会員が出てくるや、「職員」と呼ぶようになり、手下として働かせた。なかには地方自治体勤務の公務員もおり、被害者のさらなる個人情報を提供した事例も確認されている。2019年秋からメディアの取材が入り始めるや、「職員が殺しに行く」と記者に脅しをかけた。会員には「入場料」によってランキングをつけた。1段階=20万〜25万ウォン(2万円~2万5000円)、2段階=70万ウォン(7万円、3段階=150万ウォン(15万円)だ。このカネは、よりエスカレートした動画・写真を撮るための「支援金」と呼んだ。
警察はチョ・チュビンの自宅から現金1億3000万ウォン(1300万円)を押収。仮想通貨を現金化すれば、より多くの収益が明らかになるのではないかと見られている。
身柄を拘束されていない主犯格
この事件、この先まだまだ許し難い話が出てくるだろう。3月31日、チョ・チュビンの「博士部屋」の会員だった男性がソウル市内で投身自殺した。会員の3人が警察に自首もした。
いっぽう、残りの2人の主犯格からの言葉はまだ出てきていない。この「博士部屋」の会員は1万6000人。いわゆる「n番部屋」の有料会員は全体で26万人とされるから、当然、まだ多くの被害者がいると考えられる。
「なかでも身柄を拘束されていない“ガッガッ“(GodGod)が最大の加害者です。彼のチャット部屋では被害女性の動画を見て『1人くらい死んで当然なのに、死なないのか』という記録まで確保されています。さらに捜査の手は運営者のみならず、犯行を助けた者、取り巻きにも及ぶと見られています。被害者も数百、数千まで広がるという話もあります。文在寅大統領も特別チームを組み、強力な対応を要請しています」(前出記者)
チョ・チュビンについて、「中央日報」は早くも「無期懲役」もしくは「懲役45年」が有力、と報じている。