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ホストクラブは”3密”の濃厚接触にシャンパンボトルを回し飲み

 ホストクラブは、ビルの地下や締め切られた密室の店内で、女性客の横にホストが密着して接客する業態だ。シャンパンや高い酒が入れば多くのヘルプホストが酒を注文した客のそばに集まり、大きな声で“シャンパンコール”で盛り上げる。シャンパンはボトルで回し飲み。

 店が終わると客とホストたちはアフターに繰り出し、”濃厚接触”は続く。駆け出しのホストは寮住まいの地方出身者も多く、マンションの一室で”3密”の集団生活を送っている。

「実際、ホストの発熱者が出ているという噂はよく聞きます。でも、うちはコロナ対策しっかりしてますよ。オープン前には入念に若いのが掃除しますし、お客様の入店時にはアルコール除菌やうがいをお願いしてます。店内は席の間隔を空けて座ってもらうし、ヘルプホストもつけない。シャンパンコールもなくしました。お客が許してくれればマスクで接客して、なるべく距離をとって話します。アフターも女の子によっては行きません」(別のホストクラブ店員・20代)

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歌舞伎町を歩くカップル ©文藝春秋

風俗嬢の告白「北関東や東北に出稼ぎに出てます」

 朝方、取材班はキャリーケースを引きながら街を歩く2人組の女性に話を聞いた。「ホスト帰り」だという。

「担当(ホスト)が売り上げが困っているから仕方ない。すぐにホストが悪いとか、夜(の商売)が悪いとか言わないでほしい、昼だってパチンコとか満員電車とか密集しているところありますよね。

(私の)仕事は風俗です。新宿ではもう稼げない。売れている子は今までのお客を”裏引き(店を介さずに営業)”して本番までして愛人みたいにやっている。私は地方に出稼ぎに行ってます。北関東とか東北とか……。千葉くらいの近さだとコロナのことでうるさいから、遠いところに遠征するしかない。お客さんともコロナの話題になるけど、稼がないと(ホストに支払う)売り掛けが溜まっちゃうから」(風俗嬢・20代)

深夜の歌舞伎町を歩く女性たち(4月4日) ©文藝春秋

「ウチら命賭けてますからね(笑)。でも、コロナだけじゃなくて性病だって日々怖いし、お客によっては家やホテル行って何されるかわからない。怖い思いいっぱいしてきたから、大丈夫。インフルエンザが流行っているときも今まで一度も罹ってない。免疫鍛えられているんですよ。土日は担当のホストの店も休みなので、岡山に出稼ぎに行きます」(別の風俗嬢・20代)

 2人は週末から地方へ出稼ぎに出て、火曜日には新宿に戻るという。

 このような現状を国や都は把握しているのだろうか——。放置したままでは、経路不明の感染者がさらに増えていくのは間違いない。それが取材に当たった記者の実感である。(前半もあわせてお読み下さい)