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為末大、本田圭佑、スガシカオが炎上……いま、有名人の「コロナツイート」が燃えやすい理由

2020/04/12
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「100日後に死ぬワニ」も……みんなもう騙されたくないんです

 少し前にツイッターで大変な人気を博した『100日後に死ぬワニ』。ワニと友人たちの何気ない日常が「死まで後●日」というカウントダウン付きで綴られる、日めくりマンガです。ワニを好きになればなるほど、更新を楽しみにしながらも、最後どうなってしまうのか不安になる。そんな「好き」と「不安」はネットで瞬く間に共有され、かつての『電車男』のような盛り上がりに。しかし100日後、最期の更新直後の「書籍化!」「映像化!」「LINEスタンプ発売!」「イベント開催!」「いきものがかりとコラボ!」という怒涛のメディア展開にファンは顔面蒼白になってしまいました。

『100日後に死ぬワニ 完結記念サイト』より

「死」が商売化されるのを目の当たりにして、もしかしたら自分も「死」を楽しんでいたのではないかと心を痛める人、急なコンテンツ化に戸惑い、怒る人。それは大切なものが壊されたような喪失感に近かったのではないでしょうか。もう何かを見ても純粋な気持ちで応援できない。裏で電通が絡んでいるのではなどと考えてしまう……はぁ(ちゅう)。

 騙されたくないんです。もうこれ以上騙されたくない。森友問題で犠牲となった、故・赤木俊夫さんの胸を裂かれるような苦悶のメモが与えた影響も少なくないでしょう。嘘ばかりの政治家にも、体のいい言葉で口を塞ごうとする意識高い系にも、電通「的な」ものにも騙されたくない。

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 ワニと森友問題に代表される、支配と被支配の構図は、私たちに思ったより大きなインパクト――「権力者が自分を騙そうとしているのではないか」という疑念を植え付けてしまいました。従順な子羊だったはずの人間たちが突如牙を剝く。コロナウィルスは確実に人間の何かを変えたように思うのです。

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