1ページ目から読む
5/5ページ目

仮想通貨バブルで「50億円を稼いだ」KAZMAX

逮捕数時間前の吉澤被告

 一連の経緯を振り返り、吉澤被告を古くから知る友人の1人はこう話した。

「2017年の仮想通貨バブルの頃、彼は『50億円を稼いだ』と公言していました。当時は約10万円だった1ビットコインが1年後には230万円を超えるほど大暴騰し、そして数カ月後には大暴落して100万円を割り込む、なんていうことがザラにありました。そんななかで財産を築いたKAZMAXに、一攫千金を狙う大勢の若者たちが憧れたものです。

 Twitterフォロワーは11万人以上にのぼりました。KAZMAXは会費1カ月3万円のオンラインサロンも運営していて、最盛期にはサロン会員が5500人を超えたこともあります。堀江貴文さんのオンラインサロン会員が2000名弱程度だったので、かなりの影響力でした。金遣いは荒く、ラウンジなどに行くと一晩で数百万円使っていることもありました。いま思えばあれは完全なバブルだった。金銭感覚も狂っていたと思います。KAZMAXには身の潔白を証明してほしいけど、もし有罪になったらちゃんと罪を償って帰って来てほしいです」

ADVERTISEMENT

緊急性が低い裁判として、コロナで延期に

クラブに居合わせた人物によると吉澤被告は「音楽に合わせてリズムをとっていて、上機嫌な様子だった」という

 吉澤被告の莫大な資産の一部は、オンラインサロンの会員から集められた会費で成り立っていた。「週刊文春デジタル」では2019年6月20日にスクープ記事「《金融庁も重大関心》資産50億円トレーダー・KAZMAX氏の手口を元側近が告発」を公開。オンラインサロンのサロン生やツイッターのフォロワーを食い物にしていた手口を報じている。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け緊急事態宣言が発令されたことにより、対象地区では裁判の延期が相次いだ。4月7日、東京地裁、高裁、家裁も5月6日までの間に期日が指定されている緊急性が低い裁判は原則として延期すると発表した。吉澤被告の裁判も延期される見込みだ。

 カリスマ仮想通貨トレーダーの運命も、アフターコロナに決することになりそうだ。