浜崎と松浦はなぜ訣別したか?
しかし、セルフプロデュースにより輝きを増していく浜崎に対し、しだいに松浦は置き去りになっていったという。『M』ではその過程がドラマチックに描かれている。最終的に2人は男と女としても、プロデューサーとアーティストとしても訣別するにいたった。物語の終わりがけには、シングル「M」(2000年12月リリース)の歌詞が、じつは浜崎が松浦への永遠に変わらない愛と尊敬の念を言葉にしたものだと明かされる。
『M』のラストは、浜崎がデビュー20周年の記念ツアーの初日を迎える場面で締めくくられている。その前月、彼女と20年ぶりに再会した松浦も、エイベックスの代表取締役会長CEOとして会場に現れた。このとき浜崎は、楽屋を訪ねてきた松浦からある告白を受ける。それは、かつて松浦に導かれるがままに世に出た浜崎が、初めて彼
浜崎は昨年末に41歳にして初めて出産を経験、そのわずか1ヵ月後の大
※1 芦崎治「現代の肖像 松浦勝人」(『AERA』2008年10月6日号)
※2 「阿川佐和子のこの人に会いたい 連載368 浜崎あゆみ」(『週刊文春』2000年12月14日号)
※3 松浦勝人『破壊者(ハカイモノ)』(幻冬舎、2018年)
※4 藤生京子「浜崎あゆみ 『私』のリアリティー 30代虜にする自分マニアの女王」(『AERA』2000年7月17日号)