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英国エリザベス女王はビデオメッセージを発表

 皇居のある東京都千代田区でも震度5強を記録したとはいえ、遠隔地の東北沖を震源とした東日本大震災と、コロナ感染症では状況が全く異なる。天皇陛下の傍には常に側近や皇宮警察の側衛官らが控えているとはいえ、ビデオメッセージを収録しようとすれば、撮影スタッフの人数を絞ったとしても陛下をウイルス感染の脅威にさらすことにもなりかねないからだ。

「これからもまだ色々とこらえなくてはならないかもしれません。それでも今より良い毎日が戻ってくると、心の支えにしましょう。ふたたび友人に会えます。家族にもまた会えます。みなさん、またお会いします」——「We will meet again」で結ばれたエリザベス女王のビデオメッセージはの女王エリザベス2世からのメッセージは、ピカデリーサーカスの大型ビジョンにも映し出された ©iAFLO

「震災や生前退位についてのお気持ち表明など、ビデオメッセージがいわゆる『平成流』なのだとすれば、天皇陛下ならではの『令和流』のメッセージの発せられ方があってもいいのではないでしょうか。そう考えている宮内庁関係者は多いと思います。

 英国のエリザベス女王は4月5日、新型コロナウイルスとの戦いに『きっと成功する』と国民に語りかけるビデオメッセージを発表しました。11日にもキリスト教のイースター(復活祭)を前にメッセージを発表し、『私たちが新型コロナウイルスに負けることはない』と国民に語りかけています。天皇陛下からのなんらかの励ましを、待ち望んでいる国民は少なくないのではないでしょうか」(前出・宮内庁関係者))

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マスクを着用され、ご進講を受けられる天皇皇后両陛下(宮内庁提供)

今年2月、天皇陛下が述べられた「象徴としての責務」

 天皇陛下は2月、即位後初の誕生日会見に臨み、こう述べられた。

「象徴としての私の道は始まってまだ間もないですが、たくさんの方々からいただいた祝福の気持ちを糧に、上皇陛下のこれまでの歩みに深く思いを致し、また、歴代の天皇のなさりようを心にとどめ、研鑽を積み、常に国民を思い、国民に寄り添いながら、象徴としての責務を果たすべくなお一層努めてまいりたいと思っております」

60歳の誕生日を前に会見に臨まれる天皇陛下 ©︎時事通信社