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2020/04/22

『山躁賦』は、古井さんの自然に対する感受性がとてもよく表現されていて、旅を書き、「大自然とのかかわりの中で表現する」という新たな境地を拓いた作品です。

しかし、実際に選んだ3冊は……

 しかし実際に、古井さんが選んだのは『辻』(06年)、『白暗淵(しろわだ)』(07年)、『やすらい花』(10年)でした(笑)。何故かは是非、動画でお確かめください。

 古井さんは、他者に自分の言葉が通じるとはどういうことなのかを、ずっと考えていました。「自然」は僕たちが共有しうる一つの重要な媒介です。その「自然」を感受するレセプターとして、「身体」に高い関心を持っておられたので、古井さんの小説には繊細な「身体」を通じた「自然」の描写がたくさんあります。

文壇バー「風花」で

 特に花にはこだわりがあったようです。僕の子どもが産まれた時、古井さんに「花を贈りましょう。東インド会社から届きますから」と言われ、僕は「東インド会社? 何かの比喩かな」と思ったのですが、後日、本当に「東インド会社」という名前の花屋から花が届きました。古井さんが描く花のように、圧倒的な存在感をもった、肉厚で、官能的な胡蝶蘭が入っていました。

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出典:「文藝春秋」5月号

「文藝春秋」5月号及び「文藝春秋digital」に掲載されている「追悼・古井由吉『日本文学は精神的支柱を失った』」では、平野氏が初めて古井氏に会った時の出来事、二人の「文学談義」の中身、大江健三郎と古井氏の友情についても詳細に語っている。ぜひ合わせてお読みください。

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