昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2020/04/24

施設から賠償を求められるケースとは?

 逆に考えれば、既に検査によりコロナウイルス罹患が判明している段階でお店や施設を訪問し、結果的にお店が営業停止や大量のキャンセルに見舞われたた場合には、過失は認められ、その結果生じた休業による損害は因果関係の範囲にあると言えそうです。

 例えば100室のホテルが2週間営業の営業停止を余儀なくされたとして、仮に客室の稼働率が80%、平均客単価が1万円だったとするなら、営業停止による損害は100×14×0.8×10000=1120万円という計算ができます。

 施設の規模や単価、営業停止期間次第ではさらに大きな損害が計上され得ますし、実際に感染したホテル関係者がコロナウイルスにより死亡するような事態に至れば、その点について因果関係ありとして、上記の比ではない数千万~億を超える責任を問われる可能性もあります。

※写真はイメージです ©iStock.com

 実際に、賠償を求められそうなケースもいくつか報道されています。

【ケース(1)】PCR検査を受けた事実を隠して受診した患者がいたため、医院が外来診療を休止した。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200422-OYT1T50137

【ケース(2)】「発熱・味覚障害・咳・下痢などの症状が出ていたにも関わらず、家族への感染防止のためホテルに宿泊し、宿泊直後の検査で陽性反応が出たためホテルが休業した。
https://sirabee.com/2020/04/08/20162296988/

 これらのケースについては、どう考えるべきでしょうか。

 まだ検査中の段階であれば、「罹患しているとは自分自身知らなかった」という主張が考えられるでしょう。しかし、現状では検査が実施されるには、厳しい条件(風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある)があります。それを考えると、簡単には行えない検査が実施されていること自体から、かなり高い確率で陽性であると言える状況だと考えられ、「症状を隠して施設を利用する行為から、通常施設の閉鎖という結果が生じうる」とも言えそうです。