「同時視聴祭り!」にDiscordを使う理由
Discordはおそらくオンラインゲームをしている人にはメジャーなアプリだろう。ZoomでもTwitterでもなく、「同時視聴祭り!」にDiscordを使ってきたのにはいくつか理由がある。まずTwitterのフォロワーさんに気軽に参加してもらいたいし、自分もあまり身バレしたくないという理由から、顔出し・声出しなしの環境を整えられること。Discordは音声も対応しているが、チャットルームだけ作ることも可能だ。チャットで十分なのであればTwitterでも悪くはないが、Twitterだとタイムラインに映画のネタバレ内容が流れてしまうため、その作品を観たことがない人にとっては良くない。そのため、ある程度クローズドな環境で行うことが良いと考え、昨年からDiscordで開催していた。
その方法は簡単。開始時刻までにDiscordのチャットルームに入り、基本的にNetflixかAmazon Prime Videoで観ることができる作品を選定しているので、開始時刻と同時にテレビやタブレット等の再生ボタンを押すだけだ。
以前は月1回開催していたが、今はとりあえずゴールデンウィークまで毎週土曜日の夜に開催している。以前と違うのは、参加してくださっている人数は少数だが、毎週参加してくださる方もいて、皆さん自宅での楽しみを何か探しているのだなと感じる。同時視聴の楽しさは、やはりライブ感だ。開始時刻に心の中でカウントダウンしながら再生ボタンを押す感覚、テンションが上がるシーンで一緒にテンションが上がる様が、文字だけのコミュニケーションでも不思議と伝わってくる。また、フォロワーさんのナイスツッコミもあったり、知られざる小ネタの披露もあり、映画の楽しさをさらに深めてくれる。
以前はNetflixやAmazon Prime Videoの新作ドラマやエミー賞の中継など、ドラマ寄りの同時視聴を筆者の趣味で多く行ってきたが、映画ファンを増やしたいという思いで選定作品はすべて映画にしている。新しい映画に出会えた方もいるようで、そのことが何より嬉しい。そんな「同時視聴祭り!」、今回再開第一弾として盛り上がったのが『マッドマックス 怒りのデス・ロード』だ。
『マッドマックス』が心に刺さってしょうがない
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』と言えば、映画好きならば一度は観たことがあるはずといっても過言ではない傑作映画で、多くの人が語り尽くしてきた珠玉の作品であることはもはや言うまでもない。荒廃したディストピアになってしまった地球を舞台にした本作では、家父長制、性的搾取、精神論でまとめあげるカルト的な政治などが描かれ、「あれ、今の日本の現実では?」と感じるシーンが多々登場する。
毎分毎分繰り出される宗教画のような映像美と、シルク・ドゥ・ソレイユ出身のパフォーマーを起用したド迫力のアクションだけではなく、作品に秘められたメッセージやキャラクターのセリフが、コロナ禍の日本に生きる今、心に刺さってしょうがない。