自宅の家賃は経費になる?
キャバクラ嬢の場合、必要経費としては電車やバス、タクシーを使った場合の「旅費交通費」があるだろう。また、営業として使う携帯電話料金やインターネット料金は「通信費」になる。
「ほかにも、仕事で使うドレスなどの衣装代や、接客のために必要な美容代は、経費で落とすことができます。税務調査があった時に答えられるように、業務に使用したことが分かるように客観的な資料を用意しておきましょう」(同)
大きいのは家賃だ。キャバクラ嬢やホステスによっては、自宅で客に営業用のメールやLINEを返したりしている。そのため、事業所として見なすこともできないだろうか。
「家賃は、『家事関連費』に該当するため、原則として経費として認められませんが、事業所得等を生ずべき業務の遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分することができる場合には、その部分を経費に計上することもできるでしょう。
ただし、国税に関する裁判例をみていると、事業所得等を生ずべき業務の遂行上の必要性については『客観的にみて相当であることを要する』とされていることから、経費とする範囲については税理士に相談することをおすすめします。また、業務遂行に必要な部分を『明確に区分する』ことが必要要件とされているため、執務用の部屋がなく、電話等をしているからといって安易に経費計上することは避けた方がいいと思われます」(同)
申告するだけでも、還付金は期待できる。今年は、新型コロナウィルスの影響で、確定申告の申請が4月16日まで延期された。しかし、国税庁は、17日以降でも柔軟な対応をする。
個人事業主に対する「持続化給付金」制度も
生活の不安を和らげるため、国民1人当たり10万円が給付されることが決まった。オンラインで申請する場合には、マイナンバーカードを利用する方法がある。しかし、ミカさんは「マイナンバーカードを作っていない」という。そのため、郵送による申請になる。住民票は都内にあるため、都内の自治体から郵送される用紙に必要事項を書き込めばいい。
また、個人事業主に対する「持続化給付金」制度もある。新型コロナウィルスの感染拡大によって売り上げが大幅に減少している事業者に最大200万円、個人には最大100万円の給付が行われる。上限は、昨年の年間売り上げからの減少分だ。
「キャバクラ嬢やホステスは、従業員ではないことが多いので、この制度は利用できると思います」(同)