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――ご自身の小説にもかつて「アマビエ」を登場させていたと伺いました。

高橋 実を言うと20年ほど前の雑誌連載で、浮世絵研究家兼名探偵の塔馬双太郎がアマビエの謎に挑んでいます。『フェイク』というタイトルでしたが、600枚ほど書いた辺りに大河ドラマ『北条時宗』の書き下ろしがはじまりやむなく中断し、結局未完成のまま今にいたっています。私もずっと気に懸けていて、なんとか完結させなければと思いつつ、それより先に完結させなくてはならない物語がいくつかあるため手を付けられずにおり……その当時はアマビエがこれほどポピュラーな存在になるなんて夢にも思いませんでした(笑)。

(初出:「文春BOOKS」2020年4月27日配信)

盛岡県内一の大社であり、パワースポットとして知られる「盛岡八幡宮」の本殿前に立つ高橋克彦氏

たかはしかつひこ 1947(昭和22)年、岩手県釜石市生れ。早稲田大学商学部卒業。1983年、『写楽殺人事件』で江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。86年『総門谷』で吉川英治文学新人賞、87年『北斎殺人事件』で日本推理作家協会賞、92年『緋い記憶』で直木賞、2000年『火怨』で吉川英治文学賞、12年日本ミステリー文学大賞をそれぞれ受賞。また1993年放映のNHK大河ドラマ『炎立つ』、2001年放映の『北条時宗』の原作者。ミステリー、伝奇小説、ホラー、時代小説など幅広いジャンルにわたって活躍。

かげゑ歌麿

高橋 克彦

文藝春秋

2013年7月24日 発売

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