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トランプの共和党内支持率は95%?

 トランプ大統領は、有利な選挙戦を進め、トランプを熱愛する“トランピアン”は、ますます足場を固めている。

 このコロナウィルス・パンデミックの中で、トランプ大統領は共和党内の支持率が過去最高の95%にまで上昇していると喧伝されている。資金面でも、トランプはバイデンに対して約200億円(1億7800万ドル)も先行している。バイデンが今から投票日まで毎日100万ドルずつ積み上げても追いつけないほどの差だ。

トランプ大統領はクオモ知事と共通点が多い? ©︎AFLO

 だが一方で、新型コロナウィルスの感染拡大は、あまりにも大きな不確定要素だ。新型コロナウィルスは世界の景色を変えた。いまや、握手して、話を聞き、ハグするというスタイルの選挙はアメリカにはない。4年に1度の政治的祭典である夏の全国党大会の開催も危ぶまれている。

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 つまり今回の大統領選挙は、これから何が起こってもおかしくない選挙なのである。

トランプとクオモは共通点だらけ

 そこで注目したいのが、クオモ知事は、意外にもトランプ大統領と共通項が多いという事実だ。

 2人ともニューヨーク市のクィーンズで生まれ育っている。どちらも戦前にヨーロッパから移民してきた家系である。トランプは祖父がドイツからアメリカに移民し、母はスコットランド出身でスコットランドの言葉が母国語だ。父親は不動産業界で名を挙げたが、商売の対象はどちらかというと貧しい人たちだった。クオモ家も、祖父の時代にイタリアのシシリー島から移民している。ゴッドファーザーがマフィアではなく政界に進出したケースである。

 どちらもアイビーリーグの大学ではなく地元マンハッタンの大学に通っている。トランプもクオモ兄弟も同じ、マンハッタンにあるフォーダム大学の門をくぐっている。トランプは最初の2年をここで過ごし、クオモ知事はここを卒業している。そして弟クリスは同校のロースクールで学んだのである。

 クオモ知事の専門は街づくりである。クリントン政権時代には住宅都市開発長官を務めている。トランプ家は実業家として、クオモ家は政治家として、住宅と街作りに取り組んでいる。

 まったく違うタイプの政治家でありながら、依って立つところは近いのだ。

 新型コロナウィルスとの戦いが収束しないとなると、当然ながらトランプへの不満は出てくる。そうなれば、トランピアンはクオモ支持になってもおかしくないのである。

 クオモ自身の出馬は不透明だが、しばらくは候補でない彼の動向が大統領選の行方を左右していくことになるだろう。