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 各地域の公的保健機関と直接情報交換するチームがあるほか、そのチームがルールに反するツイートに対処するチームと密接に連携を取り合っていおり、彼らがポリシーに反しているかどうかを見ています。

 たとえばWHOが「マスクは不要ではないか」といった情報を発信(4月上旬時点)する一方で、日本は布マスク2枚を配っているわけです。こういうときにどこまで踏み込んで僕らが判断していいのかというのはなかなか難しい。本当に明確にわかっていることに関しては踏み込むことはありますが、まだまだ状況は変わっていくので、知見を溜めていきながら対応していくようにしています。

 ちなみにこういった対応は政府側から要請があって行なっているものではありません。先ほどの厚生労働省や政府会見の発信ということに関しては、当たりまえですけど、要請をいただいたのではなく、われわれのほうから働きかけて発信していっているということです。

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専門家がツイッターで発信しやすいように

 コロナウイルスに対しては、人類がまだまだ勉強している過程にあります。どれだけの権威だったり、専門家であっても、すべてが正しいということはまだ言えない。真実を追究しようとしている状況です。

 一方で我々としては、できるだけ専門家の方々の声を発信していただく場としてツイッターを使っていただきたいと思っています。そのためにも、できるだけそういった医療機関の方々のアカウントの認証は対応していきます。アカウントの横に認証マーク、ブルーバッジを表示させていただく。もちろん「ブルーバッジがあるから情報として正しい」ということではありませんが、なるべく専門家の方たちが情報を発信しやすいような機会はつくりたいとは思っています。

あらゆることが「可視化」されることが大切

 ウイルス自体も怖いですが、情報に踊らされてしまうことも怖い。だから、難しい。最終的に何が正しかったのかというのは、もう少し時間がかかるのかもしれません。

 そんななかで大切なのは「可視化する」ということです。台湾では「どこにどれだけマスクがあるのか」といった情報を可視化していましたが、こうした「可視化」がすごく大切なのではないかと思うのです。

 もしクローズドな環境で、間違った情報が発信されていくと、それこそ「インフォデミックのクラスター」みたいになる可能性があります。しかし、ツイッターのような公開されたプラットフォームであれば、それを検証する人たちも同時にあらわれます。ツイッター社がすべてを判断する必要はなく、一般の方々、専門家の方々が「その情報は正しくないよ」とか「どこが出元なのか?」ということをチェックできます。情報が公開されていて、可視化されているからこそ、精査できるわけです。

 今回の危機は、国境を越えて世界的な規模になっています。ウイルスによる直接的なダメージだけではなく、差別が生まれたり、治安の問題にもつながっています。よって、できるだけ情報を「可視化」して、それをみんなが信頼できる情報、信頼に値しない情報として判断ができるように、議論の場としてツイッターに出来ることは大きいのではないかと思っています。

【続き】「コロナでTwitterジャパンの働き方はどう変わった?」社長の答えは…… を読む)

構成=竹村俊助 @tshun423
写真=杉山秀樹/文藝春秋