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ベアトリクス女王が招待した「オランダでの静養」

 2006年(平成18年)6月23日、野村一成大夫が定例会見でこう述べた。

〈皇太子同妃両殿下は、ご静養のためオランダ国でお過ごしになってはいかがかとの同国ベアトリクス女王陛下のご招待があり、今般、これをお受けになって、愛子内親王殿下の幼稚園夏休みの時期に、三殿下ご一緒でのオランダ国におけるご静養のため、8月中旬から下旬に同国に御旅行御滞在になる予定であります〉

 東宮関係者が語る。

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「ベアトリクス女王の夫、クラウス公もうつ病を長く患っていたことなどもあり、精神疾患に理解がありました。皇太子と長男のウィレム・アレクサンダー皇太子(現・国王)は以前から仲がよかった。皇太子が雅子妃の背中を押したといわれています」

2006年8月18日、オランダ・アペルドールン市で。左からベアトリクス女王、雅子さま、愛子さま、皇太子、長女のアマリア王女、二女のアレクシア王女、ウィレム・アレクサンダー皇太子、マキシマ皇太子妃

 8月17日、ご家族だけの方が落ち着かれるだろうというオランダ側の配慮から、一行は公用車でアムステルダムから東へ約80キロの人口約16万人の小さな都市アペルドールンへ。ここで滞在するオランダ王室離宮のヘット・アウデ・ローは、17世紀に建てられた貴族のための狩猟用の館だった。

 翌日には、お城の馬車庫のドアから姿を見せられた日蘭の皇族・王族ご一家は、和やかに揃って報道陣に向かって歩いてこられると、馬車の近くで足を止められた。

 雅子妃は笑顔で手を振られたが、緊張されているようだった。ベアトリクス女王が雅子妃の気持ちをほぐすように、何度も話しかけられていたのが印象的だった。

「妃殿下は、オランダ静養を迎えられるまでフラッシュバックと闘っていたそうです」(宮内庁関係者)

 皇太子ご一家が過ごされているオランダの離宮は、高い塀に囲まれていて関係者以外は報道陣も入ることが出来ない。到着から数日すると、少しお元気を取り戻されつつあった雅子妃は、王室が所有する広大な森をドライブされた。