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「マスクやウーバーイーツより『あつ森』で40万円」転売ヤーにゲームアイテム取引のウラ技を直撃

genre : ライフ, 社会, 娯楽

 前記事「『あつ森』を“出会い系”に使うナンパ師を直撃」では、世界的に大ヒットしている「Nintendo Switch」の専用ソフト「あつまれ どうぶつの森(通称:あつ森)」を“出会い系アプリ”のように利用するゲーマーたちを取材した。

 しかし、邪道な使われ方は出会い系だけではなかった。「コロナウイルスが拡大している中、不要不急の外出をせずに簡単に稼げます」と語るのは、マスクをはじめ品薄な商品を中心に転売を行い、利益を得る“転売ヤー”のA氏だ。

「巣ごもり生活はチャンスでしかない」

「どうぶつの森で出会いを求めてプレイしている人を“出会い厨”と呼ぶのですが、出会いを求める人も居れば、ゲームを使いお金を稼ぐ人もいます。“転売厨”っていうんですかね。でもゲームをしているだけでお金を稼げるなら良いと思っています。さらに今、コロナウイルスの影響で仕事が減ったりする中、自宅にこもり不要不急の外出をせずに稼ぐのは良いと思いますね。さらに逆に言えば、ゲーム人口は増え購入者が増えている。チャンスでしかないですよ」(A氏)

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あつまれどうぶつの森

お金を稼ぐカラクリは変動する“カブ価”

 その手法は、ゲーム内でのアイテムを売ることだと話す。

「僕らはゲーム内のアイテムを売って稼いでいます。ゲーム内の家具や同じ島に住んでくれる住民を売ることもできるのですが、一番効率が良いのはアイテムの1つ『マイル旅行券』を販売することなのです。販売するとき誤差はありますが1枚5円くらいになってしまうのですが、大量に集めて売るのです。

Nintendo Switchめあてにヨドバシカメラに集まった転売ヤー

 集め方としては、ゲーム内で株の取引をする“カブ価”というものがあるんです。これは実際の株取引と一緒で、毎週日曜日に売られ、その後毎日価格が変動する。買い値より高い時に売るとその分利益が出てゲーム内通貨の“ベル”が増えます。大体100ベル前後を行き来しているのですが、時たま600ベルとかに高騰することがあります。僕の島で600ベルになった際、オンライン通信で僕の島に遊びに来てもらうと、その人も600ベルで僕の島でカブを売却できるのです。

©iStock.com

Switch本体の日時をいじって……

 自分の島で100ベルでカブを買って、僕の島で600ベルで売るという作業を繰り返すことでベルを大量に増やせる。それをみんなやりたいのです。ですから、600ベルに高騰した僕の島に、遊びに来たい人をTwitterで募ります。すると大量に応募がきます。“1回島に来るたびに、1枚のマイル旅行券をお礼として持ってくる”という条件で募るので、人が来れば来るほどマイル旅行券が溜まるのです。

 これをTwitterで島のパスワードを公開して繰り返すのみです。ゲームの仕様で半日でカブ価が変動するようになっているのですが、これはSwitch本体の日時をいじって、カブ価が永久に変わらないようにできる。これで24時間マイル旅行券を集めることができるのです」(同前)