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オオカミもそろそろ野球観たいってよ――マンウィズ とカープの幸福な関係

文春野球コラム Cリーグ2020

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プロ野球界が『今』何を提示するかにも期待

 と言ったように皆様同様、一ファンとして今年の開幕も例年通り楽しみにしておりましたが、2020年のプロ野球は皆様ご存知の通り、新型コロナウィルスの影響により残念ながら延期という形になっている。多くの業種に関しては少しずつではあるがこのコロナ禍が終息仕切っていない中でも、経済活動を完全に止めたままの対策で延々と社会を動かさないままではジリ貧という見解のもと、ウィルスと付き合いながらも社会生活を営む政策に移行している。しかし一方スポーツだけでなく観劇や音楽ライブ等々、大人数を一つどころに集客する事が軸となっている業種に関しては、どう対応するべきかだけでなく営業そのものの再開自体も悩ましい状況が続いている。そんな中、ドイツではつい先日5月16日に無観客ではあるが自国のサッカーリーグであるブンデスリーガの再開を宣言し実行した。非常に大きな影響と被害を被っているヨーロッパにおいて、あれだけの観客を集めて来た巨大スポーツ産業のこの試みがどう出るか、はたまたこの先どのような変化と対策でもって新たな可能性を我々に見せてくれるのか、個人的には大きな期待を寄せている。そして我が国日本のスポーツ界は? プロ野球は果たしてどうなるのか? 同じように期待の目を向けているのです。

©2020 MAN WITH A MISSION

 コロナ禍の前と後で世界とその価値観は変わると言われている。もう既に変わっている、変わり始めていると言うのが正しいのかもしれない。もちろん元どおりの世界に戻って欲しいし、元の日常を取り戻すために世界中の人々が戦っているのだが、同時に自分たちは変わってしまった世界にも対応できるだけの柔軟な変化をしなければ、順応していかなければいけないのだとひしひしと思い知らされている。しかし「思い知らされて」いながら決して悲観ばかりすることでもないと思うのです。何年も叫ばれ続けてきたテレワークやオンライン教育への移行と実施、旧体制の問題点が良い意味でより明確に浮き彫りになっている事も多々ある。今までと同じようにできないのを嘆くのではなく、今までは出来なかった新しいことに目を向ける良い機会なのではないか。

 そんな中で、日本プロ野球界。やはり日本のスポーツ界の中でも一等歴史と伝統があるイメージが人々にも確実にあるのではないでしょうか。そんな日本プロ野球界という伝統的且つ巨大な組織にこそ、新しい世界にも耐えうる力強さと変革の在り方の一例を提示して欲しいと、私めは思っております。変わらなきゃいかんよ、というのをかのような組織が示すことができたらこれほど説得力ある事はないんじゃないかな、と。私自身もスポーツが持っている純粋な力の信者の一人です。ただ、人々の心に勇気を! 力を! だけでなく、プラスα新たな展望をも見せつけて欲しいなぁ、というのが個人的な願いであり希望であります。そして、同じく人を集めることが軸になっている文化・娯楽に身を置くものとしても、考えていかなければいけないと自分自身にも言い聞かせております。

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 いつの日かまた以前と同じように球場やライブハウスいっぱいに人を集められる日は必ず来ます。それまで何ができるか。今なら何ができるか。またみんなで必ず集まりましょう。でも、どうせなら前より強く、良くなってやりましょう。

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