英語で「可愛くてふわふわしています」
ニュージーランドで小児病院を視察された際、雅子さまは、結核で長期入院する女の子の頬に自然な振る舞いでキスして励まされ、オーストラリアの動物園ではウォンバットを抱かれると、現地の報道陣からの問いかけに「Oh, they're lovely. So fluffy.(可愛くてふわふわしています)」とチャーミングなご様子で答えられる一幕もあった。
2004年5月、天皇陛下が欧州3カ国(デンマーク・ポルトガル・スペイン)ご訪問を前にした記者会見で、「それまでの雅子のキャリアや、そのことに基づいた雅子の人格を否定するような動きがあったことも事実です」と発言されたことで波紋が広がった。デンマーク、スペインでは皇太子の結婚式へ出席し、お2人からお祝いを伝えようとされていた。
「今回は、体調が十分ではなく、皇太子妃としてご結婚式に出席できる貴重な機会を失ってしまうことを、本人も大変残念がっております。私も本当に残念で、出発に当たって、後ろ髪を引かれる思いです」
オランダご訪問が大きな自信に
雅子さまのご体調は「依然として快復の途上」にあるというが、折々のターニングポイントは、やはり外国訪問だったように思う。
2013年4月、両陛下はオランダのアレクサンダー国王の即位式へ出席された。ご体調に不安を抱えられていた雅子さまの出席を後押ししたのは、民間出身で元銀行員のマキシマ王妃からの直接の電話だったと言われる。このオランダご訪問と即位式への出席が、雅子さまにとって大きな自信につながったと解釈している関係者は多い。
さらに2015年7月、トンガ王国の国王トゥポウ6世の戴冠式へのご出席は、雅子さまにとってオランダ以来約2年ぶりの外国訪問となった。この時は、ベージュのローブモンタントを選ばれた。レースの美しさが際立つデザインで、柔らかな色使いから一見控えめな印象を受けるが、華やかな雰囲気は祝宴「饗宴の儀」のローブデコルテに通じるものがあったように思う。