雅子さま「みよちゃん、行きますよ」
国内での公務でも、近頃はより自然体で臨まれているように拝察している。断片的ではあるが、雅子さまのお声が報道されることも次第に増えてきた。例えば2019年9月、全国豊かな海づくり大会に出席されるため、秋田県を訪問された天皇皇后両陛下が、秋田県動物愛護センターを視察された時のことだ。
雅子さまは、小型犬シーズーに「みよちゃん、行きますよ」と呼びかけながら歩かれた。その表情は笑顔で、かつて記者会見でお話しになっていたイメージより高く、柔らかな印象のお声だった。その後、子供たちと一緒に会話をされる中で、雅子さまは「犬飼っているの。大変だったね」と声をかけられていた。陛下がご一家で飼育されている保護犬の由莉の写真を取り出されて、「飼っているんですよ、僕も」とお話しされる場面もあった。
「私は5歳」に愛子さまは「またまた~」
夏のご静養に際しても、雅子さまは駅頭で出会った人々とユーモアあふれる会話をなさっているようだ。2019年8月、ご一家揃ってJR那須塩原駅に到着されると、雅子さまが小さな子供に「おいくつ?」と尋ねられ、「4歳」と答えると、「私も年齢を聞かれると1桁しか言わないの。だから私は5歳です」と冗談をおっしゃると、周囲は大きな笑いに包まれたという。愛子さまが「何の話?」と会話に入っていかれて、雅子さまのお言葉に「またまた~」と突っ込まれたそうだ。
今から26年前のご結婚1周年にあたり、両陛下は「多忙な中にも充実した一年であったように思います。結婚により、お互いに学び合い、助け合う過程を通じて得られた喜びは、実に大きいものでした。今後も初心を忘れずに共に力を合わせて務めを果たしてまいりたいと存じます」と文書で感想を述べられていた(朝日新聞、1994年6月9日)。
新型コロナウイルスが猛威をふるうなか、天皇陛下は尾身茂新型コロナウイルス感染症対策専門家会議副座長によるご進講の冒頭で、「この度の感染症の拡大は、人類にとって大きな試練であり、我が国でも数多くの命が危険にさらされたり、多くの人々が様々な困難に直面したりしていることを深く案じています。今後、私たち皆がなお一層心を一つにして力を合わせながら、この感染症を抑え込み、現在の難しい状況を乗り越えていくことを心から願っています」と述べられたという(4月10日、新型コロナウイルスに関する天皇陛下のご発言要旨)。
即位から1年を迎えられた今、天皇陛下、そして雅子さまはどのような思いを抱かれているだろうか。
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