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追悼・岡江久美子さん ジャズ歌手デビュー秘話「アルバムに秘めた『艶』とセクシーな表現力」社長初告白

追悼・岡江久美子さん ジャズ歌手デビュー秘話「アルバムに秘めた『艶』とセクシーな表現力」社長初告白

小さな文字で書かれた「岡江さんらしい言葉」

 9曲のジャズを収録したデビューアルバム。人気女優の初作品とあって、取材が殺到したという。

「岡江はやる気は満々でしたよ。みんなに幅広く知られているジャズが好きで、『Tea For Two』を日本語に訳して歌ってみたいという気持ちがずっとあったみたいです。そして、岡江の友人でTUBEの『シーズン・イン・ザ・サン』の作詞を手掛けた亜蘭知子さん作詞のオリジナル曲『Metamorphose』を歌い、気に入っていました。リリース後は音楽雑誌から100件ほど取材を受けて、当時は注目されましたね。

 実は岡江は、そんなに歌がうまいワケではないんです。岡江本人もよく『私なんかがジャズと言ってしまうのはおこがましい』と話していました。アルバムのタイトルを決めるときにも、そんなやりとりがあったのを思い出します。本人とスタッフで話し合い、『YES, I FEEL』というタイトルで決まったのですが、岡江のたっての希望である言葉が付け加えられたんですよ。

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 それはレコードのジャケットをよく見てもらえればわかると思うんですけど、タイトルの横に小さな文字で副題が書かれています。プロのジャズ歌手に敬意を払った岡江らしい言葉だと思います」

岡江久美子さんのアルバム「YES, I FEEL」の表紙。サブタイトルに岡江さんの希望で加えた言葉が

 アルバムのタイトルを確認すると、そこにはこう副題が添えられていた。

〈艶!! ちょっとジャズ……「YES, I FEEL」岡江久美子〉

 天国でもいまごろ、笑顔で優しい裏声を響かせているに違いない。

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