昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

こどもの日だから考えたい、プロ野球を好きになるということ

文春野球コラム2020 オープン戦

2020/05/05

 皆さんが野球好き、プロ野球ファンになったキッカケは何ですか? 両親の影響、友達に誘われた、イケメン選手がいた、幼い頃に野球場に連れて行ってもらった……。それぞれの原点があると思います。私の場合は、2つ年下の弟が少年野球を始めたことで野球への興味が加速しました。そして、地元球団の福岡ダイエーホークス(当時)を応援するようになりました。

 ところで、私のいとこの息子・悠太(はるた)もまた、3歳にして既に立派な“野球大好き少年”です。パパ、ママの次に覚えたのは「カイ」。ホークスの甲斐拓也選手の写真を見ると、指をさして嬉しそうに笑うんです。今では「ギータ」、「シュートー(周東)」など他にもたくさん選手の顔と名前を覚えました。「アチュオ~(熱男)」はもちろん、デスパイネ選手のホームラン後のパフォーマンスやライオンズ山川穂高選手の「ドスコイ」も出来るようになりました。

デスパイネ選手のホームラン後のポーズをマネする悠太 ©上杉あずさ

 なかなか言葉を覚えられず、保育園でもお友達と上手くコミュニケーションがとれなくて泣いて帰ってくることもあったという悠太。心配していた悠太ママでしたが、「野球に関することはどんどん覚えていく。不思議~」と驚いていました。お友達の名前は言えないのに、野球選手の名前は言える……。まったく、可愛い困ったさんです。

 決して両親が野球オタクというわけでも、頑張って覚えさせようとしたわけでもないのに、気が付いたら野球に夢中になっていたという悠太。テレビで野球中継を付けているといい子にしていて、選手名鑑を見せるとご機嫌になる。こどもって面白いですね。

プロ野球がこどもに夢を与える瞬間

 そんな悠太が初めて野球観戦したのは6ヶ月の時でした。その時はまだよくわからない状況でしたが、1歳5ヶ月になると、ドームの音楽に合わせた演出やダンスに大興奮。ホームランが出ると、球場の盛り上がりに合わせて一緒に拍手やバンザイをしていました。悠太ママいわく「お祭とかみんなが盛り上がってる雰囲気が好きみたい」ということで、野球場の雰囲気にも惹き込まれていったのかもしれません。

観客の歓声に合わせてバンザイする悠太 ©上杉あずさ

 そしてちょうど1年前のこどもの日でした。屋外球場の魅力も感じて欲しいと思い、ホークスのファーム本拠地・タマスタ筑後での2軍戦に誘いました。プロ野球では毎年こどもの日に、様々なこども向けファンサービスが行われています。この日のタマスタでは、スコアボードがひらがな表記になっていたり、施設内にこども向けピッチング体験ゾーンがあったり、来場者プレゼントがあったりとファンサービスも盛りだくさんでした。

 悠太も試合前、ピッチング体験ゾーンでキャッキャ言いながら見様見真似でピッチングをして楽しんでいました。顔が大きすぎてワインドアップで腕が頭を通らなくて可愛かったです……(笑)。

 また、タマスタでは5回終了後のグラウンド整備中に「ウーハーダンス」というおなじみのダンスがあります。スタジアムDJや球場スタッフ、ファンが一緒になって踊って楽しむこのイベントは、希望するファンが先着でグラウンドに降りてダンスすることもできます。この日は、悠太もチャレンジしました。「2歳だし、まだみんなの前では踊りきらんやろうね」という悠太ママの言葉を裏切るほどにノリノリで、ダンスの振りはめちゃくちゃですが全力笑顔で踊っていました。ウーハーダンスを気に入ったようで、その後、家で動画を見ながら振り付けを覚えたそうです。

 こういう特別な体験が、こどもが野球にハマるキッカケになるんだろうなと私も悠太の“タマスタデビュー”を一緒に過ごしてヒシヒシと感じました。プロ野球がこどもに夢を与える瞬間というのを目の当たりにしたような気がします。こどもの天真爛漫な姿は“野球が好きになった原点”を思い出させてくれるんですね。

HAWKSベースボールパーク筑後の特設ブルペンで投球体験する悠太 ©上杉あずさ