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「本人はコロナで死んだとわかっていないと思う」志村けん実兄が四十九日を前に告白《東村山市内に納骨へ》

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 改めて、志村が息を引き取るまでの13日間を振り返ると、志村が倦怠感を覚えたのは3月17日。その後、自宅療養中だった19日に発熱や呼吸困難の症状が現れたため、20日に医師の判断で港区の病院に搬送され緊急入院となった。

 その病院で重度の肺炎と診断され、23日には新型コロナウイルス検査で陽性と判明。24日に転院してICU(集中治療室)で人工心肺装置による治療が行われていたが、29日に帰らぬ人になった。

志村けん ©文藝春秋

 知之氏は、最後に見た弟の顔が忘れられないという。

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「入院してからは先生と細かい話はできなかったし、28日に病院へ行ったけど本人と面会はできなくて、モニター越しに鼻に管を入れたけんの顔を少し見ただけ。それが最後です。その翌日に死んでしまった。意識がなくて、本当に寝ている感じでした」

「どんな薬でも、きっと間に合わなかったでしょう」

 この1カ月半の間に、タレントの石田純一やフリーアナウンサーの赤江珠緒などが新型コロナウイルスに感染し、肺炎と診断されている。しかし、2人とも新型コロナウイルスに効果があるとされる「アビガン」が投与され、一命を取り留めた。また、厚労省は5月7日に抗ウイルス薬である「レムデシビル」を新型コロナウイルス感染症の治療薬として正式承認した。こうした新しい治療薬について、兄の知之氏は次のように語った。

志村けん ©文藝春秋

「いま、いろんな薬のニュースが流れてますけど、けんは入院してから短い期間に人工呼吸器を付けて、最後には人工心肺装置まで装着した。でも、すぐに終わってしまった。だから、どんな薬でもきっと間に合わなかったでしょう。今となっては、そう納得せざるを得ないです」

 知之氏は、亡き弟・志村けんへ最後の言葉を送った。

「けんと会うのは1年に1、2回でした。忙しくてなかなか会えなかったから、正月に帰省したとき、けんの舞台を観に行ったときに、けんと会うのがとても楽しみでした。これからは天国でもゆっくりね。お酒は飲めなくても親父やお袋と会って、ゆっくりいろいろな話をしてほしい。ほんとうに私の弟にしては出来過ぎな人でした」

「本人はコロナで死んだとわかっていないと思う」志村けん実兄が四十九日を前に告白《東村山市内に納骨へ》

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