新型コロナウイルスの影響で、マスクの需要は爆発的に高まり、現在も多くの人がマスクを買い求め、騒動は続きそうだ。最近では、手作りの布マスクを使用している人も少なくないだろう。筆者もまた、花粉対策に購入していた30枚入りの不織布マスクが底を突き、布マスクを使用している。ちなみに、アベノマスクは5月上旬になっても我が家には届いていない。

 そんな折、不織布マスクが手に入るチャンスが舞い込んできた。家電メーカーのシャープが個人向け販売を開始した50枚入り税抜き2980円の「不織布マスク(MA-1050)」に当選、宅配便で届くまでを紹介する。(取材・文=清談社)

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 シャープが不織布マスクの個人向け販売を開始すると聞いて、当初は意外な組み合わせに思えたが、同社がマスクを製造している三重県多気工場には、液晶パネルの製造を行う“クリーンルーム”がある。人の目に見えない塵やホコリを取り除いたクリーンルームは、マスクの製造に適した環境だという。

 4月20日にシャープから発表された販売方法は、4月21日午前10時にシャープのECサイト上で“先着順”に売るというもの。1人1箱限定の早いもの勝ちだ。

 この販売方法を聞いて、日頃コンサートやライブのチケット争奪戦を経験している筆者は、一抹の不安を覚えた。

 ライブチケットの一般販売でも、一部のアーティストのファンが一斉にチケットサイトにアクセスして回線が混み合うのに、今や日本国民のアイドルと化しているマスクの購入権を先着順にして大丈夫なのか……。King Gnuのチケットよりも入手が困難かもしれない。

 不安のなかで迎えた4月21日午前10時。定刻の少し前からページを開いてみたが、マスク販売ページにはすでにアクセスが集中し、うんともすんとも言わない状況だった。終わった。おそらく、誰もマスクの購入画面には進めずに1日を終えただろう、と思った。その日、「シャープのマスクを購入できた」という声はSNSにも見当たらなかった。

先着順から抽選販売に変更

 悲劇のサーバー落ちから2日後、シャープから新たな販売方法が発表された。大きな変更点は、先着順から抽選販売になったこと。指定期間内に公式サイトで応募し、当選者のみにマスクの購入権利が与えられるという。

 抽選受付は4月27日の0時~23時59分の24時間。なるべく早くマスクを人々に届けるための措置だとしても、応募期間が短すぎるのでは……昼休みや就業後など応募のタイミングが重なると思うと、悲劇を繰り返しかねない。

 その予感は的中し4月27日も応募ページは大混乱。筆者は目が覚めた瞬間にスマホを手に取り、シャープのECサイト「COCORO STORE」にアクセス。案内に従って個人情報を記入し、応募ボタンを押すと、アクセス集中を陳謝する画面が表示された。朝7時の時点で、回線はすでにパンクしていたのだ。

©清談社
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 その後、時間を空けて何度か日中にアクセスしてもつながらず、シャープの公式画面ですらない「502 Bad Gateway」というエラーが表示されるばかり。Wikipediaによると、このエラーは「不正なゲートウェイ。ゲートウェイ・プロキシサーバは不正な要求を受け取り、これを拒否した」とある。なるほど、拒否されたことだけはわかった。まさか、応募すらできないとは、人々のマスク欲を侮っていた(自分を含めて)。