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「1つのことを継続すること、強い心を持つこと」
《「何事も諦めない気持ち、1つのことを継続すること、強い心を持つこと」を伝えられればと思っていたけど、子供達にとっては僕と一緒に遊ぶことの方がうれしかったようだ。でも何かしら心に残っただろう》
単なる手記ではないのは、娘や家族たちへの思いが込められていること。家族に向け、自分の軌跡を残す意味合いもこもっていたことがわかる。普段は背中で子供に語りかけるタイプという若山さんは、娘達に向けては、こんな願いを記している。
《僕は元来無口で、自分の気持ちを直接人に伝えるのは、得意ではない。特に、子供たちには、自分の強さも弱さも、ありのまま見てもらうことで、それぞれがもって生まれた心を大事にしてほしい》
《店はたった一人ではできない》
書いている本人も、まさかこれが遺言として読まれることになるとは思ってもみなかっただろう。店について、家族について、若山さんはこう書いた。
《店はたった一人ではできない。皆で助け合わないと、営業はできない。だからこそ、家族の絆は、自ずと強まっていくのであろう》
とんかつ店の店主として、夫として、3人娘の父親として、商店街の仕掛け人として。誰かを支えることに徹してきた若山さんにとって、今年こそは聖火ランナーとして自らが主役として輝く年だったはずだ。