陛下はご即位前最後となる誕生日の会見で、次のように述べられています。
「その時代時代で新しい風が吹くように、皇室の在り方もその時代時代によって変わってくるものと思います。私も、過去から様々なことを学び、古くからの伝統をしっかりと引き継いでいくとともに、それぞれの時代に応じて求められる皇室の在り方を追い求めていきたいと思います」
時代の変化の中で新たに弱い立場の人たちは生まれ、また、見過ごされていた弱い立場の人たちに気づかされます。いずれの団体も、現代の中で弱い立場の人たちを見逃さないと活動しており、この点から両陛下は支援を希望されたのではないでしょうか。
このように、これから続く令和の時代の中で、両陛下らしいことが多く出てきてほしいと思います。これまでの天皇から受け継がれたことはたくさんあり、それ以外にテーマを見つけることは大変難しいことです。ご自分らしさを出すためには、時代がどのように流れているのかを知り、その時代の中で天皇という立場の役割、象徴のあり方を求めて頂きたく思うのです。
私が言葉を並べるのは容易ですが、両陛下にとり険しい道であるのは分かっています。それでも、今後の両陛下のご活動に長い目を持ちながら期待してしまうのです。
新型コロナの影響で「立皇嗣の礼」が延期に
新型コロナウイルスの感染拡大のため、皇嗣・秋篠宮さまの立皇嗣の礼は延期になりました。秋篠宮さまは2019年5月1日に皇嗣となられており、儀式のあるなしに関係なく、紛れもない皇位継承第一の方でいらっしゃいます。
この儀式が延期となり影響が出ているのは、いわゆる「女性宮家」や安定的な皇位の継承についての本格的な議論が始まらないことです。
政府は、4月19日に予定されていた立皇嗣の礼とその関連行事が終了した後に、こうした皇室の課題について本格的な検討を始めるとしていました。
女性皇族がご結婚後も皇室のご公務を支えていくという「女性宮家」の創設については、配偶者やお子さまの立場など難しい問題が含まれており、議論を重ねなければ決まらない課題です。そして、両陛下、秋篠宮ご夫妻の次の世代の男子は悠仁さましかおらず、安定的な皇位の継承についても急ぎ検討しなければならない課題です。