両陛下も、この問題に心を痛められています。専門家会議の尾身副座長からご進講を受けられた際、陛下が尾身副座長に述べられたお言葉が、宮内庁のホームページに掲載されました。
「この度の感染症の拡大は、人類にとって大きな試練であり、我が国でも数多くの命が危険にさらされたり、多くの人々が様々な困難に直面したりしていることを深く案じています。今後、私たち皆がなお一層心を一つにして力を合わせながら、この感染症を抑え込み、現在の難しい状況を乗り越えていくことを心から願っています」
このお言葉は、私たちに向けて発せられたお言葉です。このほか、日本経済研究センターの岩田理事長からご進講を受けられた際には、皇后さまはアジア、アフリカの発展途上国での感染拡大を心配し、国際協調などについて、質問されていたといいます。
両陛下は、専門家から話を聞き、事態を把握されようとしています。
ご即位から1年となった5月1日、陛下が姿を見せたのは宮中三殿で、宮中祭祀の「旬祭」に臨まれるためでした。「旬祭」は、毎月の1日、11日、21日に行われるもので、毎月1日、他の行事で支障が出ない限り、陛下ご自身で祭祀に臨まれ、11日、21日は陛下を代理した神職が拝礼しています。
「旬祭」は、国家の安寧と繁栄を陛下が祈る祭祀です。情緒的なのはよく分かっていますが、陛下の祈りで、新型コロナウイルスの殲滅していただきたいくらいに思ってしまいます。さらに、この自粛という中でストレスがたまった社会を、もう一度協調を大切にする社会に統合して頂きたいとさえ思えてきます。
陛下の「令和」という御代は、「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ」という時代であるいうことを、私たちがもう一度かみしめるてみる時なのではないでしょうか。