新型コロナウイルス感染症によるテレビドラマ撮影への影響が続くなか、過去の人気ドラマの再放送が話題になっている。

 4月11日に初回放送が予定されていた『未満警察 ミッドナイトランナー』(日本テレビ系)に代わって再放送が始まった『野ブタ。をプロデュース』は、15年前の作品にも関わらず、放送開始から第1話11.0%、第2話10.9%、第3話8.4%(ビデオリサーチ調べ 関東地区)と、高視聴率を記録し、SNSでも毎週トレンド上位に挙がるなど圧倒的な人気となった。しかしその一方で、「新ドラマの初回放送はいつになるのか?」「まさか中止なんてことはないですよね?」など、4月期ドラマを楽しみにしていた視聴者からの声も多くなっている。

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 実際、各局のホームページで新ドラマの情報を見てみると、初回放送の予告は「近日スタート」のまま。例年、夏ドラマが放送開始される7月も1ヶ月余り後まで迫っている。

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 では新型コロナウイルスにより影響を受けているドラマは、これから7月までどうなるのか——。「緊急事態宣言後のテレビドラマ」について、テレビ関係者に話を聞いた。

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「中止」を余儀なくされるドラマはあるのか

 まず一番に気になるのは、現在放送が延期・中断している春ドラマの行方だ。初回放送すら実現していない番組が多いが、中止という選択はあり得るのだろうか。

「TBSでは4月期のゴールデンタイムに『私の家政夫ナギサさん』、『MIU404』、『半沢直樹』の放送を予定していました。どれも初回放送を延期していて撮影も止まっている状態ですが、今のところ中止する予定はないと思います。特に日曜劇場『半沢直樹』に関しては、第1話の撮影をほぼ終えていると聞いているので、中止はないのでは」(在京キー局関係者・A)

 これは、主演・堺雅人の7年ぶりの「倍返しだ!」を待ち望むファンには朗報だろう。さらに、他の局でも『未満警察 ミッドナイトランナー』や『竜の道 二つの顔の復讐者』(フジテレビ系)などは、6月から撮影を再開して、順次放送を開始する予定だという。

『半沢直樹』(公式HPより)

「東京五輪」を想定していた春ドラマのスケジュール

 この対応が実現できる背景には、今年の夏に予定されていた東京五輪のために、各局が変則的な編成スケジュールを組んでいたことも影響しているという。

「実は、東京五輪を想定した編成で、春ドラマを少し長めの7月まで放送するスケジュールだったんです。ドラマにもよりますが、通常ゴールデンタイムに放送する連ドラの話数は8~10話ほど。今年の春ドラマはそれよりも長い話数で放送を予定していた作品もありました。余裕と言えるほどではないんですが、それでも通常よりは放送期間が長い。話数を減らしたとしても、通常通りのボリュームで済むドラマもあると思います」(前出の在京キー局関係者・A)