今年4月の上場している大手ドラッグストアの既存店売上高は、上位10社のうち8社までが前年同月比でプラスとなっており、非常に好調だ(#1参照)。
4月は、コンビニの大手4社の既存店売上高が、全て前年同月より減収。スーパーの既存店売上高も、日本チェーンストア協会の発表では前年同月比4.5%減とマイナスになっている。対比して見れば、新型コロナウイルスの感染拡大を受けての緊急事態宣言の下、ドラッグストアがコンビニ、スーパーに勝る社会インフラとして認知されてきたということだろう。
「化粧品以外はよく売れている」
ドラッグストアの商品には、医薬品、調剤、食品、生活雑貨、化粧品と、主要5分野があるが、「スギ薬局」を展開するスギHDによれば「化粧品以外は、どの分野もよく売れている」(同社・広報担当)とのこと。同業他社もほぼ同じ回答であった。化粧品が不振なのは、在宅勤務が増えたこととマスク着用で顔が隠れているから。既存店の4月売上が前年を割った2社(マツモトキヨシHD、ココカラファイン)は、化粧品の売上比率が高かった。
近年のドラッグストアは、薬ばかりでなく食品や生活雑貨が充実しており、スーパーの機能を取り込み、日常の商品をワンストップで買える便利さがあるのが、好調の要因だ。
では、実際にどのような商品が売れているのか。誰もが想像がつく、マスク、アルコール消毒液、体温計、トイレットペーパー、カップ麺、冷凍食品などの他に、意外な商品も上がった。“粉モノ”、バナナ、ヘアカラー……などなど、それらはなぜ売れたのだろうか?
ドラッグストアの売れ筋商品を研究してみた。