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Q6 ダンの「ロシア留学」「母がデパート社長」はありえる?
ヒョンビン演じる主人公の北朝鮮の軍人、ジョンヒョクの許嫁がソ・ダン(ソ・ジヘ)だ。ダンはロシア留学の経験があり、母親は平壌のデパートの社長とされ、豪華な暮らしをしている。社会主義国家の北朝鮮で、こんな家庭はあるのだろうか。
「ダンとジョンヒョクの関係は、北朝鮮における政界と経済界の政略結婚の現実を描いています。北では、ダン一家のような階級を“赤い資本家”と呼びます。彼らは労働党幹部の家系出身で、外国との貿易に従事したり、北朝鮮内の流通網を独占したりしながら富を蓄積している。北朝鮮では個人がデパートを所有することができないので、ダンの母親が社長という設定には無理がありますが、総支配人のような立場だとしても、資本主義国家の社長に勝るとも劣らない富を所有しているでしょう。
資本家の子女や国の幹部の子女は、ダンのように党の推薦によって中国やロシア、ヨーロッパなどに留学することができます。留学が禁止されている地域は、実は米国、韓国、日本、イスラエルぐらい。現在、200~300人くらいの学生が海外留学しているとされています。金正恩委員長の夫人、李雪主も中国留学の経験者で、芸術を専攻していました。理工系や芸術・体育系の場合は、家柄がそれほど良くなくても才能さえあれば海外留学が可能です。もちろん北朝鮮の留学生は全員、国費留学生となります」