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本当に平壌はあんなに頻繁に停電するの? 「愛の不時着」8つの疑問に在韓記者が答える

「北朝鮮の市場の実態は?」「ロシア留学はありえる?」…

2020/05/31

Q8 本当にあんなに頻繁に停電するの?

 このドラマで、北朝鮮らしい場面として象徴的に描かれているのが「停電シーン」だ。社宅村の人々が停電に慣れてしまっている姿、平壌の最高級ホテルで急に停電する場面、車で2時間の距離なのに停電の影響で17時間かけて列車で移動する場面もある。北朝鮮の電力事情はそこまで劣悪なのだろうか。

「国際社会からの経済制裁などによって、北朝鮮の電力不足はますます深刻になっています。供給先として優先されるのは、平壌の中核施設、その次が産業や軍事施設など。地方の住宅地や、民間人が利用する列車向けの電力はかなり後回しにされています。そのため、ドラマのように停電で10時間以上も列車が止まっている場合が多く、両江道のような北方の地方だと、平壌まで出るのに2、3日かかることもよくあります。脱北者の話では、平壌のタワーマンションでは停電でエレベーターが止まってしまう日が多いといいます。

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 ドラマの中では、停電の状況がまるでおとぎ話のように幻想的に描かれていますね。中でも、ジョンヒョクとセリが停電で止まった列車から降りて焚火を前に野宿をする場面は、このドラマを代表する印象的な名シーンです。北朝鮮の暗鬱な現実をロマンチックなシーンに作り変えた作家たちの想像力は見事です。

 ただ、ドラマを楽しんでもらう一方で、この冷酷で困難な状況に今日も耐えている北朝鮮住民がいることも、少しばかり知ってほしいと思います」

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