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「ああ、葉山ってずいぶん遠いのよ。駅を降りてすぐに葉山だと思ってくる人がいたら、かわいそうねえ」
改めて地図を見ると、確かに葉山という土地は逗子・葉山駅からだいぶ南に離れている。歩いていくには無理があり、バスに乗り継いでということになるだろう(葉山のバス停まではバスにもよるが約10~20分ほど)。ただ、それでも葉山への玄関口がこの駅であることも事実のよう。最初期にはこの南側の出入り口は湘南逗子駅の葉山口と名乗っていたくらいだから、歴史的にみても正統性は充分だ。新逗子という駅名のままでは葉山の存在が消えているから、この新駅名も悪くはない。ちなみに、逗子の代名詞でもある逗子海岸海水浴場は逗子・葉山駅から歩いて15分ほどである。
(2)「仲木戸駅」→「京急東神奈川駅」
逗子・葉山駅を終着とする京急逗子線には、羽田空港からやってくるエアポート急行が走っている。これに乗ると、金沢八景駅からそのまま本線に乗り入れる。次に訪れる“改称駅”は京急東神奈川駅。横浜駅から2つばかり品川寄りの駅である。エアポート急行も停車するので、そのまま揺られて横浜のベッドタウンたる住宅地を抜け、黄金町あたりのオトナな町も抜けると、JR東海道線・京浜東北線と並んで走って目的の駅に到着した。
京急東神奈川駅は今年3月まで仲木戸駅と名乗っていた。江戸時代に徳川将軍の御殿があって、その守りの木戸が名の由来という由緒ある駅名。それをわざわざ改称するなんてなぜなのだろうか……と思って駅を降りたら、ペデストリアンデッキを挟んで真向かいにJRの東神奈川駅がある。