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 その合間を5分ほど歩いていくと、少し商店などが途切れて神社や逗子市役所が見えてきたあたりで京急の逗子・葉山駅に着く。町外れに近いのか、JRの逗子駅と比べると人通りは少なめで駅の規模もちょっと小さめ。

JR逗子駅前の大きなロータリー。例年、夏になると海水浴客でごった返す
こちらは逗子市役所
正面に見えるのが逗子・葉山駅のビル

 ドトールコーヒーが目立つ小ぶりな駅ビル。階段を登って2階にいくと、なぜかそこから線路の上を歩いてわたる歩道橋。そこを通ってホームは階段を降りて……、と、なんともややこしい構造をしている。ホームの端っこには踏切があるので、すぐに駅に入る改札口を作ることができないからということなのだろう。興味深い、というか不思議な構造の駅だ。で、この駅ビルが正面の駅舎なのかと思っていたら、そうとも言えないようだ。線路(というかホーム)に沿って少し歩いていくと、かまぼこ型の立派な屋根とステンドグラスを持つ堂々たる駅舎が見えてくる。正面には堂々と「逗子・葉山駅」の駅名看板。こちらがメインの出入り口なのか。

こちらが駅ビル。ホームへは一度2階に上り、そこから右上に見えている線路の上の橋を通ってから階段を下りるという不思議な構造になっている
ホームの逆側にあったかまぼこ型屋根の駅舎。歴史を感じさせる佇まいだ

逗子・葉山駅が“不思議な構造”になった理由

 調べてみると、もともとこの駅はふたつの駅が統合して生まれた歴史を持つという。北側に湘南逗子駅(のち京浜逗子駅)があり、南には逗子海岸駅があった。といっても互いにかなり近い距離にあったから、事実上は同一駅のようなものだった。そこでふたつの駅を統合し、さらにホームを長くして8両編成まで入れるようにしましょうね、として1985年に生まれたのが新逗子駅、今の逗子・葉山駅というわけだ。旧来の京浜逗子駅舎はそのまま北口の、逗子海岸駅の駅舎はそのまま南口の駅舎となった。北口駅舎はのちに駅ビルに建て替えられてしまったが、南口駅舎は逗子海岸駅時代そのまま。ずいぶん立派な駅なのはそうした時代の名残なのだ。逗子海岸は湘南の玄関口。きっと多くのハイカラさんが利用する駅だったのだろう、この駅舎の中にはかつてダンスホールまであったとか。

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この立派な南口駅舎は逗子海岸駅時代のものだという。かつてはダンスホールもあったとか
そんな立派な南口駅舎にも新駅名「逗子・葉山駅」のピカピカの看板が

「ああ、葉山ってずいぶん遠いのよ」

 と、ここまで来て気になった。逗子、というのはわかるのだが、新しく名前に加わった「葉山」はいったいどこに。駅前の案内図などには葉山方面への案内もあるにはあるが、「徒歩5分で葉山の街」という距離ではないようだ。通りすがりの地元のおばちゃんに聞いてみた。