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 募集要項の内容も、育成に時間がかかる「未経験者」の求人が減り、即戦力となる「経験者」が求められているそうだ。

「一方で、求人数が減っている現状を逆手に取り、積極的に採用に乗り出している企業もあります。エンワールド・ジャパンが224社を対象に実施したアンケートでは、とくに営業、マーケティング、エンジニアなどの職種は積極的に採用しているという結果が得られました」

※写真はイメージです ©iStock.com

一度もリアルで対面することなく採用された社員が入社

 新型コロナの影響は、求人数だけに表れているわけではない。選考のプロセスや面接方法も変化しているという。

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「以前の面接スタイルは感染リスクが高い“3密”の環境なので、密を避けるためにオンライン面接を行う企業が増えましたね。当社でも、求職者とエージェントの面談はオンラインで実施しています。余談ですが、エン・ジャパンの採用活動は、新卒も中途も完全オンラインに切り替えました。先日、当社の人事担当者と一度もリアルで対面することなく採用された社員が入社しました」

 “3密”を避けるオンライン面接は今後も普及していく可能性が高いという。一方で前出の松田さんが受けた会社と同じように「役員面接は対面にこだわる」企業も少なくないようだ。

「オンライン面接の実施方法は、企業によって対応はまちまちですね。また、オンラインではオフィスや社員の雰囲気が伝わらない、と不安を感じる求職者もいるので、動画での『オフィスツアー』を検討している企業もあります」

※写真はイメージです ©iStock.com

「地方への転職を希望する」20代が増加

 企業、求職者ともにコロナ禍の転職を手探りで進めている。そんななか、人々の“職場の選び方”にも変化が起きているという。

「勤務先の業績悪化によって転職を余儀なくされるケースがある一方で、この3カ月の経験を通して“自分の働き方や職場”を見つめ直す人も増えているようです」

 そう話すのは、個人向けの転職・キャリアサポートなどを行う、dodaエージェント事業部・事業部長の大浦征也氏だ。

「パンデミックとも言える状況の中で、リモートワークも時差出勤すらも認めてもらえない会社の方針に疑問を抱いた人や、工場勤務など現場でしか成立しない仕事内容に不安を覚えて転職を考える人もいますね。何より、転職希望者がテレワークや副業兼業など“働き方の自由度”に注目するようになったのは大きな変化です」

 dodaの求人検索でも、これまでランキング圏外だった「テレワーク」や「在宅勤務」などのワードが上位にランクインするようになったという。