「星野(源)さんの動画を知ったのは、僕が『この状況の中でエンターテインメントはどういうことができるんだろう……』と分からなくなっていた時で。でもあの動画を見て、絵を描きたい、描いている動画を撮って、編集してアップしよう、と思うことができた」
新型コロナウイルスはエンターテインメントの世界に大きな打撃を与えたが、「新しい地図」の稲垣吾郎(46)、草彅剛(45)、香取慎吾(43)にとっても、ファンミーティングの中止、香取の初ソロライブの中止などを余儀なくされた。そんな中、6月22日発売の「週刊文春WOMAN」2020夏号では、3人がコロナ禍について語っている。
冒頭に紹介したのは、香取慎吾の言葉だ。
香取は、2018年12月の「週刊文春WOMAN」創刊以来、毎号、表紙画を描き下ろしてきた。6作目となる今回の2020夏号では、4月上旬に編集部より「コロナ禍で不安な日々を過ごしている人々に、力を与えられるような絵を」と依頼。5月末の緊急事態宣言解除当日、香取は描き終えた表紙画を文藝春秋本社に持ってきた。当日行ったインタビューでは、自身も精神的につらい日々を過ごす中、「前向きな絵を描くことが大変だったこと」「そんな中、星野源さんの『うちで踊ろう』動画への参加で精神的に助けられたこと」などを率直に語っている。
「(コロナ禍による変化は)いろいろと急で、やっぱりつらい部分がある。でも、そのつらさをあんまり口にしちゃいけないような空気も感じる。このつらさを一回、口に出して言ってみない? そのうえで新しいこれからの未来にちゃんと向き合いますから、と世の中に言いたい」(香取インタビューより)
稲垣吾郎は、連載「談話室稲垣 Goro’s Salon」で今年デビュー20周年を迎える作家・伊坂幸太郎と対談。仙台在住の伊坂の仕事場とオンラインで結び、コロナによって変化したお互いの仕事環境について、4月末に発売された伊坂の最新作『逆ソクラテス』の作品世界について、言葉を交わした。
「この時期に伊坂幸太郎さんの最新作『逆ソクラテス』に出会えたこと、ご自身とお話ができたことは偶然ではなく、今の僕にとって必然だったのだと確信しています。直接お会いできる日を楽しみにしております。初対面としてではなく旧知の友人のように」(対談後、稲垣が寄せた一筆御礼より)
草彅剛は、トランスジェンダーの女性を演じる最新主演映画『ミッドナイトスワン』の内田英治監督と対談。今秋に公開を予定している本作は、制作の最終段階でコロナ禍に直面した。「映画と芝居とコロナ禍と」と題した対談では、これまであまり言葉にしてこなかった自身の演技論や、コロナ禍での劇場映画を取り囲む状況について、語り合っている。
「今回の役は、僕にとって、自分の人生を踏まえてこそ、いちばん力を発揮できる役かもしれない。人生もある程度歩んでくると、いろんな感情がストックされたり、いろんな壁に突き当たって乗り越えたり、そういう経験が積み重なっていくと思うんです。だからこそ演じられる役もあるんじゃないかな。しかも、それがギリギリ演じられるようになったタイミングでくる。そういう巡り合わせは、ここ数年、強く感じるようになりましたね」(対談での草彅の発言より)
「週刊文春WOMAN」2020夏号の大特集は「コロナ禍を生きる」。最果タヒの巻頭詩にはじまり、ジェーン・スー×中野信子×磯田道史が“日本社会のコロナ・ディスクロージャー”を徹底討論する座談会、太田光による“コロナ禍のお笑い、ラジオ論”、内田也哉子×養老孟司の対談「人生は不要不急なのに」など、充実した特集内容となっている。
【週刊文春WOMAN 目次】特集 コロナ禍を生きる/新しい地図/ジェーン・スー×中野信子×磯田道史/太田光 コロナ禍のお笑い、ラジオ論/森友自殺職員妻 裁判開始へ
2020夏号
2020年6月22日 発売
本体500円+税