「文春さんの取材、嬉しいです。僕らのやってる“妙ージカル”は、普通のミュージカルでは歌われない、後ろ暗い感情ばかりを歌にしているので、まさに週刊誌を読む感じで観て貰えるんじゃないかと」
唯一無二の妙なミュージカル=“妙ージカル”を上演する劇団FUKAIPRODUCE羽衣。糸井幸之介さんは、そんな羽衣の作・演出・音楽を一手に引き受けている。すでに公演が始まった新作『瞬間光年』は「エロティックSF」と銘打たれた意欲作だ。
「エロティックの部分はいつも通りですが、今回はSFです。と言っても、コアなSF作品というわけではなくて、宇宙が舞台になるというだけなんですが(笑)。湿っぽい日常を送る人たちが、ふとした瞬間に一瞬で宇宙の果てまで飛ばされていくお話です」
羽衣の最大の魅力の1つとも言える、糸井さんの音楽については「今回は歌は少なめ」だそう。その代わり、全編をリズムが通底するような、新たな趣向の作品になる。
「それから、うちの俳優の日髙啓介が宮崎出身ということもあり、初の宮崎公演が実現します。日髙のご両親が初めて羽衣の公演を観に来てくれるそうで、それも楽しみです」
『瞬間光年』
9月5日まで、駒場東大前・こまばアゴラ劇場にて/宮崎公演は9月14・15日
https://www.fukaiproduce-hagoromo.net/