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アンジャッシュ児嶋、ナイナイ矢部、ロンブー、雨上がり、ザキヤマ、ノンスタ…試される「相方力」3つの成功タイプ

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 同じくプロデューサー視点でいえば「NON STYLE石田明さん(40)も注目すべき」と語るのは、前出の鈴木旭氏だ。

「石田さんの相方である井上裕介さん(40)は、2016年12月に乗用車との接触事故を起こし、道路交通法違反(ひき逃げ)などの容疑で書類送検され、その後不起訴処分となった。井上さんはこの事故で、約100日間謹慎しましたが、その間の石田さんの対応には誠実さがよく表れていました」

NON STYLEの石田明 ©AFLO

 井上が活動自粛を発表した翌日、白のスーツがトレードマークの石田は黒スーツを身にまとい、「よしもとお笑いまつりin立川」ライブ前に報道陣に向け謝罪。その一方でライブでは冒頭に謝罪したあとは、「僕、真っ白じゃなかったら誰かわからないですよね」などと、早くも謝罪を笑いに変えながら、ネタを披露していたという。

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 また井上の謹慎中、元々コンビでオファーされていた現場では、石田が演者・スタッフ一人一人に頭を下げていたことが、後にインパルス板倉俊之(42)によって明かされている。

「石田さんは、井上さんの謹慎中の謝罪対応が完璧だったことに加え、謹慎中から不祥事を笑いに変えてイジりまくっていました。石田さんが井上さんの復帰の土壌をつくったから、井上さんの復帰ライブでも最初から不祥事をネタに笑いをとることができたんです」(鈴木氏)

NON STYLEの井上裕介 ©AFLO

不祥事には触れずに土壌をつくったアンタッチャブル山崎

 相方が率先して対応するケースがある一方、不祥事にほとんど触れずに“風化”させることで、コンビ復帰を果たしたのが、アンタッチャブル山崎弘也(44)だ。

「相方の柴田英嗣(44)さんは、“体調不良”を表向きの理由に2010年1月から1年間活動休止。復帰後も『事実上の解散では』と噂されるほどコンビとしての活動がなくなった。実質はピン芸人状態だった山崎さんが一人でアンタッチャブルの看板を背負ってきました。その間、柴田さんが自身の口で活動休止の理由(女性トラブル)を語った以外は、他の芸人さんがイジッても『死んじゃいましたからね』と山崎さんらしく笑いにするのみで、詳しくは語らなかったですからね」(鈴木氏)

アンタッチャブルの山崎弘也(左)と柴田英嗣 ©AFLO

 ところが2019年11月、活動休止から10年近く経って突然、『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ系)でコンビが復活し、感動を呼んだ。ちなみに、その復活の舞台でも、休止のきっかけについては触れることはなかったという。

「山崎さんは柴田さんの騒動があった後、コンビ復帰の可能性について公の場では一切語らず、テレビなどでは明るくハイテンションなキャラクターを貫いてきました。1人でも順調に活動ができていたことから、コンビ復帰の可能性は低いと思われていました。だからこそ、突然のコンビ復活劇が人々に大きな衝撃と感動をもたらすことになったのだと思います」(ラリー遠田氏)