昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

 本来、芸人は人を笑わせることを生業としている。だからこそ、不祥事の対応は難しく、慎重にならざるを得ない。

「笑いのスタイルやキャラを守りながらも、誠意を見せないといけない。その誠意の見せ方は人によって違いますから、山崎さんのように一見、相方に冷たいように見える対応が後々やさしさだとわかったりする。非常に難易度が高いなと思いますね。

 雨上がり決死隊蛍原徹さん(52)も、もともと理屈をこねないキャラクターなので、闇営業問題についてはあまり発言しない。でも、宮迫博之さん(50)のことをイジられたら、しっかり笑いで返していますから、テレビ復帰の可能性を信じているんでしょうね。時間はかかっても許される時を待つ、という情に厚い蛍原さんらしい土壌作りだと思います」(鈴木氏)

お笑いコンビの不祥事が注目されるようになった理由

 そもそも人を笑わす商売である芸人の不祥事が、社会で大きく扱われる関心事となり、相方にまで対応が求められるようになったのは、なぜなのか。

 ラリー遠田氏は「芸人がタレントとして見られるようになったことが原因ではないか」と指摘する。

「一昔前まで社会的なテーマに芸人は口を出さない、というのが暗黙の了解でした。明石家さんまさん(64)は、今でもそのポリシーを貫いていますよね。情報番組にも出ないし、政治的な自分のスタンスを表すこともない。情報番組に芸人が出て、政治や社会問題にコメントを求められるようになった頃から、『人を笑わす』ということ以上の責任を求められてしまったのでは」(ラリー遠田氏)

アンジャッシュの児嶋 ©文藝春秋

 鈴木氏は、謝罪や相方の対応が注目されるのは、コンビ芸人の関係性の変化が影響しているとみる。

「10年ほど前までは、コンビ芸人といえばドライな関係で、不仲を思わせるくらいのほうが魅力的だという考えが根強く残っていました。その象徴が今もテレビで引っ張りだこのダウンタウンのお2人。実際に以前、不仲な時期が10年ほどあったと自ら明かしています。

 でも今の時代は、不景気の長期化、豪雨や震災、コロナ禍など暗いニュースばかりで、見る側に気持ちの余裕がなくなっている。その影響もあり、コンビ芸人は『仲が良くて、見ていて癒されるような存在』として求められるようになった。結果的に、早くからその枠を担っていたのが、おぎやはぎです。彼らに人気が出てから、『仲良しコンビの方が売れる』と他の芸人たちが軌道修正し始めた部分もある。ここ最近で人気になった“お笑い第7世代”と呼ばれるEXITなどを見ても、本当に仲の良さがにじみ出てますよね。今や“仲の良さ”は、活動するうえで欠かせない要素と言えます。

 芸人が不祥事を起こすこと自体は昔からありましたが、今は誠意を示しつつ復帰できるまでを考えるコンビがほとんどだと思います。『相方を見限っていないよ』『待ってるよ』というメッセージを出すのは、残された芸人のためであり、なによりもファンのためでもある。だからこそ、相方をフォローしたり、代わりに謝罪することが主流になっていったのでしょう」(鈴木氏)

 しばらくは、芸人のトラブルが起きる度に「相方力」が試されることになりそうだ。

その他の写真はこちらよりご覧ください。

この記事の写真(13枚)

+全表示

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー