1ページ目から読む
2/4ページ目

「ファンの中には、暗い気持ちになる視聴者もいたかと思いますが、あの放送は『お笑いコンビとしてのナイナイ』が復活する瞬間にもなった。長い間ナイナイでお笑いの役割を担っていたのは岡村さんだけで、矢部さんはMCなどタレント的な役割が求められる仕事が多かった。2人の不仲説も流れていたなかで、あのラジオで矢部さんが堂々と『ナインティナイン、今うまいこといってない』と本音を語りました。コンビとしての会話がほとんどなくなっていて、すれ違いがあったことまで明らかにしたのです」(鈴木氏)

 岡村は2時間の放送で35回も「申し訳ない」と発言するなど、説教は放送終了まで続いた。放送は話題となり、その翌週からは矢部がレギュラー復帰。コンビでの再スタートを切る形になった。

「お笑い芸人としてどこか冷めてしまっていた矢部さんと、リスナーを笑わせたいがために失言してしまった岡村さん。どちらにとっても、説教をきっかけに2時間本音で話し合えたことは、コンビとして再スタートを切るうえで重要な布石になったのです」(鈴木氏)

ADVERTISEMENT

相方の復帰までプロデュースするロンブー淳、ノンスタ石田

 不祥事自体をネタにするなど“フル活用”して、相方の謹慎から復帰までをプロデュースしてしまうケースもある。その代表格が、ロンドンブーツ1号2号田村淳(46)だ。

亮の復帰を“プロデュース”したロンドンブーツ1号2号の田村淳 ©AFLO

 昨年夏の「闇営業」問題で、約半年間の活動自粛となった田村亮(48)だったが、相方の淳は、その立場をフル活用した。今年1月に亮の謹慎が明けるまでの間には、「ロンドンハーツ」(テレビ朝日系)で亮自身は出演できないにもかかわらず、亮の自宅でのロケを敢行。4月に番組復帰する際には、あえて体育座りでセットの外から見学させる姿を放映して、視聴者が納得できる仕組みまで準備して、本格復帰の道筋を作った。

「淳さんの動きは、亮さんへの愛を感じさせる見事なものでした。あそこまで素早く復帰をサポートできたのは、亮さんと意思疎通がしっかり取れていたから。謹慎中も亮さんの存在を視聴者が忘れないよう精力的に発言するなど、際立った対応力でした」(ラリー遠田氏)

ロンドンブーツ1号2号の田村亮 ©文藝春秋

 淳は、亮の謹慎期間中に「株式会社LONDONBOOTS」を設立。亮を所属タレントに据えて、吉本興業と専属エージェント契約を結ぶかたちで新たな活動の形まで成立させている。

「会社を設立する際も、吉本と亮さんの間をうまく取り持っていた。亮さんの『復帰したい』という意志をしっかり確認できているから、すぐ行動できたのでしょう」(ラリー遠田氏)