「私がみんなに元気を与えられる」という自負
昭恵さんの著書『「私」を生きる』(海竜社2015年)を読んでみると、いろんな人に会い、全国を飛び回るのは「私がみんなに元気を与えられる」から、という自負を感じる。
しかし、調べていくとそれは単なるポジティブさだけではないことが徐々にわかる。
昭恵氏にインタビューした石井氏は、ファーストレディになった昭恵氏が日本とは何か、日本の国とは何かと考えるようになり、日本への思いを強くしていった気持ちはわからなくもないが、「『天皇、神社、大麻』にこだわる姿勢には危うさがにじむ。実際、昭恵の主張はともすると日本賛美に傾き、国粋主義的な面を見せる。日本は世界で称賛されている、日本人の精神性の高さが今後、世界をリードする、といった発言の数々」と書いている。
主人は「選ばれて生まれてきたんだろうな」
さらに昭恵氏はこんな発言をしている。
「主人が首相を辞めた2007年の秋頃から出雲大社を皮切りに、いろんなところに行きました。私は勝手に『神様から呼んで頂いて行った』と思っていて。岩手の神社もかなり回っていたんですが、翌年に地震があった。神様に呼ばれたんだと思っています」
何を言っているのか。
ジャーナリストの青木理氏は著書『安倍三代』(朝日新聞出版2017年)で、安倍晋三氏の父親や祖父らは政治家を目指してかなりの努力も尽くしていたのに、「晋三の周辺をいくら取材してもそんな様子は微塵も感じられない」と不思議に思った。なので「これはいったいなぜなのか」と昭恵氏に質問をしている。
すると昭恵氏は「選ばれて生まれてきたんだろうなとも思う」「天命であるとしか言えない」「使命を与えられている」と答えているのだ。
……ザワザワする。