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その2、大量の防護服を中国に寄付

 こちらは『女帝 小池百合子』の著者である石井妙子氏が「文藝春秋」7月号で指摘している。

 2月4日に小池氏は自民党本部で二階俊博幹事長と会談。会談後に小池氏は都知事選の話は出なかったと否定した上で、二階氏から中国に寄付する防護服の追加支援を要望されたと語っている。

 しかし不思議なことにこの“美談”、小池氏は中国系メディアに対しては語るが日本メディアには語ることがなかった。

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自民党の二階俊博幹事長 ©文藝春秋

《この情報は三月の都議会で自民党が都知事に質問するまで、まったく表に出ることがなかった。報道機関はもとより、都民は知る由もなく、計五回に渡って防護服は中国に寄付されたのである。総数は三十三万六千着。一着が約八百円相当だと言われ、金額にすれば約二億五千万円である。これらは言うまでもなく都税によって購入された、都民の財産であり、有事への備えとして、備蓄されてきたものである。》(「文藝春秋」2020年7月号)

 中国の役に立ったなら、なぜ小池氏は堂々と日本メディアや都民には報告しなかったのか。“美談”ならいつもは自分から吹聴しそうな小池氏が。

 この対応には中国にパイプが太い二階幹事長へ「恩を売っておきたい」という政治的思惑はなかったのだろうか。

 二階氏は一貫して小池氏を自民党内から支持、擁護してきた人物である。備蓄した防護服=都民の税金を自身の都知事選対策に使ったようにも見えてしまう。

説明なき小池氏4年間の「実績」

 追悼文取りやめも、防護服寄付も、小池氏の4年間の「実績」である。是非を検証されるべきだがこの実績には政治利用疑惑すら匂うのだ。都知事選論議でのツッコミに期待したい。

©文藝春秋

 それにしてもやっぱりキーワードは「説明」だった。

「AI小池百合子」さん、どうかきちんとしたご説明を。