中島健人と平野紫耀は“ジャニーズという文化を継承する2人”である
晩年のジャニー喜多川が、自分の人生の集大成のように力を入れていた舞台『ジャニーズ・ワールド』シリーズ。そこで主演を担い、帝国劇場でフライングをさせるタレントにジャニー喜多川は絶大な信頼をおいていたように思う。山田涼介など、ジャニーズ事務所の中でも、限られたタレントにしかそれを課さなかった。中島健人と平野紫耀はそれを担ってきた2人である。『ウエストサイドストーリー』に感銘を受け初代ジャニーズを結成し、舞台に力を入れ続けてきたジャニー喜多川が自ら作・演出を手掛けた舞台であり、しかも歴史ある帝国劇場で主演を担い、フライングをすることは“ジャニーズの王道”と言ってもいい。ただ単に「人気が出そう」というレベルではなく、まさに“ジャニーズという文化を継承する2人”なのである。
こうした背景を踏まえて見た『未満警察 ミッドナイトランナー』。初回放送を見て、中島健人が演じる本間快、平野紫耀が演じる一ノ瀬次郎はそれぞれ「素の2人の個性」を活かしたようなキャラクターだったと感じた。
なぜジャニー喜多川が中島健人と平野紫耀に「ジャニーズという文化を継承するに値するタレント性」を見出したのか。この疑問への答えがドラマにおけるそれぞれの役柄と本人との共通点を振り返ることで見えてきた気がする。
中島健人に漂う“童貞性”が重なる「本間快」
中島健人演じる本間快は、初登場する警察学校の面接シーンで、“意識高い系”である描写がなされ、自ら「彼女は今はいません」と申告をする。拙著『ジャニーズは努力が9割』では「極端な意識の高さが一流としての器を作る」として、引用した過去の発言だけでも「ジャニーズでトップに立つのが目標」「時代のアイコンになりたい」「周りには絶対負けたくない」と、意識高く上を目指すものが目立つ。
実際、アイドルとしての意識が高く、中学校3年生での入所直後に、プライベートで女子と接することをやめ、デビューから9年が経とうとする今もスキャンダルがゼロ。その現状を鑑みると、「彼女は今はいません」と中島健人本人が発言してもおかしくない。
そして、本間快には、初回から真木よう子演じる、湯上がりの美人の部屋を、自分の部屋から2時間以上、双眼鏡で覗き続けるなど、ちょっとした童貞性がある。