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天皇陛下が雅子皇后と一緒に行う“令和流”ビデオメッセージは
「新型コロナ禍で4月7日に政府の緊急事態宣言が出された後も取りざたされたビデオメッセージがいいのではないでしょうか。上皇陛下は東日本大震災の発生から5日後の2011年3月16日、ビデオメッセージを発表し、被災者を勇気付けられました。すぐにでも現地を訪問されたいお気持ちだったにもかかわらず、被災状況の把握や被災者の捜索など現地の状況を踏まえ、お見舞いは後回しにして、まずメッセージを出されたわけです。
被害が甚大だった宮城、岩手、福島3県のうち宮城に最初に入られたのは、4月27日です。震災発生からおよそ1カ月半後です。もちろん現状では1カ月半で天皇・皇后両陛下が熊本入りすることは叶わないはずですが、熊本の被災者に心を寄せている事実を両陛下の直接のお言葉でお伝えし、近い将来、必ず見舞いに行きたいと思っていらっしゃることを示すことで、被災者はとても励まされるのではないでしょうか。しかも皇后陛下の肉声は、必ず被災者の心に響くはずです」(同前)
雅子皇后の肉声を国民が聞いたのは、病気療養に入られる前の2002年12月の記者会見が最後だ。上皇陛下がお一方で行ったビデオメッセージを、天皇陛下が雅子皇后とご一緒に行うという“令和流”に寄せられる被災者の、そして国民の期待は、小さくないのではなかろうか。